ふわふわと風にのる種子
風に乗って運ばれる植物の種といったら何を想像しますか?
私もそうですが、タンポポをまず思い浮かべる方が多いと思います。
今回ご紹介するのはマルバヤナギです。
◆マルバヤナギ(ヤナギ科)
学名:Salix chaenomeloides Kimura
合掌づくりの家の東のホタル沼のあたりに展示があります。
普段、なかなか話題に上りにくい植物かもしれません。
◆5月の上旬に何気なしに見たら若い実がついていました。
どうなるのか観察してみることに...
◆数日たち、中旬過ぎ頃に、少しはじけてなにやら白いものが顔をのぞかせているのを発見しました。
どうなるのだろう?明日も見てみよう!
◆翌日見に行くと、少し色が変化して先が裂けてきていました。
昨夜の雨で水分を含んでいます。
◆一夜明けると、爽やかな風吹くカラッとした天気になりました。
見に行くとなんと様子が一変!モコモコと綿毛に覆われた姿になっていました。
マルバヤナギは、こうして綿毛に種子を包み、風に運んでもらおうとしていたのです。
風を使って遠くに種子を運んで次世代を残す知恵ですね。
手に取ってじっくり綿毛を見てみると、小さな種子らしき黒いツブツブが肉眼で見えました。机に持ち帰り、紙の上でトントンとすると一層よくわかります。
枝から離れた綿毛は、緩やかな風でも上に行ったり下に行ったりしながら、ふわふわと飛んで、すぐに見えなくなりました。
この綿毛(のついた種子)は「柳絮(りゅうじょ)」と呼ばれます。なかなか、素晴らしいふわふわ感です!
植物園緑地造園係 野村 幸央