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オフィシャルブログ

亡くなったライオンステラの病気について

2015年05月21日(木)



平成27年5月12日朝、ライオンのステラが亡くなりました。これまで、たくさんの来園者の方々に可愛がっていただき、御礼を申し上げます。
そして、たくさんのお悔やみの花をいただきありがとうございます。

2013年の春からステラの頸部に腫瘤が見つかりました。超音波やレントゲン等の検査を行いましたが、順調に成長していたのでその経過を観察してきました。

大型の猛獣等の検査や処置には、ペットの犬や猫と違い麻酔等が必要です。事前に正確な体重を測定できることはまれで、まず体重にあった適正量を投与すること自体が難しいです。
未成熟や病気の動物への麻酔はそのものに大きなリスクがあり、しかも何度も行うことはできません。このため、麻酔下で精密な検査を行うにも我々の覚悟と準備が必要となります。
最近とくに、ステラの腫瘤が大きくなってきました。たくさんの方々からもご心配をいただいており、腫瘤による悪影響や破裂するなどの事態が想定されたので、ステラの処置を決断しました。

首にできた腫瘤は、良性の甲状腺腫瘍という非常に珍しい症例で、摘出できたとしても、生涯、適正量のホルモン剤投与を続ける必要があります。
摘出することはできましたが、腫瘍が太い静脈に付着し手術中の出血が多かったことや、麻酔の影響、内分泌(ホルモンなどを分泌する)器官を摘出した場合には体調が急変することもあるといわれており、
これらの要因が影響して翌朝に亡くなったと思われます。

ステラの名前は一般公募で決まりましたが、その候補を私が提案させていただいたこともあり、特別な思いがあってとても残念です。
しかし、ステラが我々にこの症例とめぐり合わせてくれた意義はとても大きく、今後の動物園での飼育や診療に役立てなければと思っています。


動物園指導衛生係  茶谷 公一

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