第3弾 カナダヤマアラシ
カナダヤマアラシの毛先はざらざらしていると以前のブログ(2024/12/11)でお伝えしました。
今回はそのざらざらを詳しくお伝えしたいと思います。
カナダヤマアラシに脱脂綿で塗り薬を塗っていると毛が刺さっていました。
カナダヤマアラシの毛先を肉眼で見ると1本のツルっとした針に見えます。
顕微鏡で見ると、
上記画像引用:https://www.reddit.com/r/interestingasfuck/comments/ltc4xk/a_closeup_of_a_porcupine_quill_these_quills_are/
写真のように1本のツルッとした針のような毛ではなく、「かえし」があります。そしてかえしは毛の先端全体にあります。開く前の松ぼっくりのイメージに近いと思います。
なので毛先がざらざらしているのです。
このかえしはカナダヤマアラシ特有の特徴で、同じヤマアラシでもアフリカタテガミヤマアラシ(当園にはいません)にはありません。
また当園で飼育している同じように針のような固い毛で覆われているハリモグラにもかえしはありません。ハリモグラの毛は肉眼で見ても顕微鏡で見てもかえしのない毛です。
では毛先に「かえし」があるかないかでどういう違いがあるのでしょう?かえしがあると、外敵に対して半分の力で刺すことができます。そして外敵がその刺された毛を抜こうとすると4倍の力が必要になります。なので、カナダヤマアラシを襲おうとする外敵はこの痛みを味わうリスクを背負うことになります。
また、一度相手に刺さった毛はカナダヤマアラシの体からは抜けやすいという特徴もあります。
上がハリモグラ、下がカナダヤマアラシの毛
上の写真のように体に埋もれている部分がハリモグラよりもカナダヤマアラシの方が浅いため、抜けやすいのだろうと思います。
丸っこくてかわいい見た目と危険な一面を兼ね備えた『カナダヤマアラシ』は北園アメリカゾーンにいます。カナダヤマアラシの毛にはくれぐれもご注意を。動物園 谷