11月19日は「世界アリクイの日」! 日本のオオアリクイ飼育園館が初めて合同で保全啓発を実施します!
11月19日は「世界アリクイの日(World Anteater Day)」です。
世界アリクイの日は、アリクイとその生息地が直面している脅威、そしてアリクイを守ることの大切さを世界に伝えるための日です。

この日は、アリクイの保全活動を行うブラジルのNGO「Instituto Tamanduá」と「Instituto Jurumi」によって2014年に設立され、国際自然保護連合(IUCN)のアリクイ専門家チームにも公式に承認されています。
アリクイは有毛目アリクイ科に分類される哺乳類で、野生下のアリクイは生息地の減少や交通事故など、さまざまな脅威に直面しています。特にオオアリクイは国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで「絶滅危惧Ⅱ類(VU)」に分類されており、国際的な保全への取り組みが求められています(IUCN, 2025)。
当園では、オオアリクイとミナミコアリクイの2種のアリクイを飼育しております。

オオアリクイ(Myrmecophaga tridactyla)
オオアリクイは日本動物園水族館協会(JAZA)で保全の優先度が高い動物種で、JAZAのコレクションプラン種(※)の「管理種(JSMP)」に位置付けられており、国内での個体群管理・繁殖計画のもと、長期的な飼育・保全が進められています。

※保全上の必要性、教育的価値、学術的価値、展示効果その他の指標に基づき、継続的に飼育管理することが必要とされる種
現在、日本では7つのJAZA加盟園館で計18頭のオオアリクイが飼育されています(2025年10月現在)。
一見少なく感じられるかもしれませんが、この飼育頭数は世界で第6位に位置しており、日本は世界有数の飼育国の一つです(Schappert, 2016)。
そのため、日本におけるオオアリクイの継続的な繁殖や調査データの共有は、国際的な種の保全においても重要な役割を担っています。
今年、オオアリクイを飼育する全国7園が合同で、初の保全啓発活動を実施します。世界アリクイ日にあたる11月19日を中心に、ブラジルでオオアリクイの保全活動を行う野生動物保全研究(ICAS)の協力のもと、各園で共通デザインの展示パネル掲示やSNSでの情報発信、ガイドイベントなどが展開されます。
11月9日(日)【雨天に伴い、11月19日(水)に延期となりました】にはオオアリクイ舎前でアニマルトークを予定しています。ぜひご参加ください。
詳しくはこちら
(公社)日本動物園水族館協会に加盟するオオアリクイ飼育園館
・静岡市立日本平動物園
・江戸川区自然動物園
・よこはま動物園ズーラシア
・名古屋市東山動植物園
・神戸市立王子動物園
・神戸どうぶつ王国
・沖縄こどもの国
この機会に、ぜひ園を訪れ、実際のオオアリクイの姿を通してアリクイを取り巻く環境や保全の重要性に触れていただければ幸いです。
動物園 佐橋








