クロヅルのキンさん
ホームページの「お知らせ」でもお伝えしましたが、10月14日に当園で飼育しているクロヅルが亡くなりました。
今回はそのクロヅルのお話をします。
亡くなったクロヅルはメスで名前を京(キン)と言います。「北京(ペキン)」からやってきたことから京(キン)と名付けられたそうです。
キンさんは1976年に当園にやってきました。それから49年もの月日が流れました。クロヅルの寿命は20〜30年と言われており、キンさんはかなりの高齢個体です。キンさんは当園の記録によると同じタイミングで来園したオスの北(ペイ)との間に多くのこども達を育てあげました。またキンさんは多くの来園者にも観てもらいましたし、関わった飼育員もすごく多くいます。
キンさんは高齢であったため他のツル達と比べても羽艶は良くはないし、歩様も軽やかではないし、首も柔軟には動かせませんでした。しかし、ゆっくりではありますが歩いていましたし、採食もしていました。キンさんにはエサを食べやすいように少し高い位置に設置する一方、様子を見ながらですが、大好きな落花生は地面にまいて、歩いてもらったり、首を動かしてもらったりして筋力や柔軟性を向上させて、できるだけ健康体でいられるように配慮してきました。
こうして歴代の飼育担当者がキンさんの事を考えて関わってきたことが、これまで自力で生活してこられた大きな理由の一つなのかなと思います。
そんなキンさんですが10月上旬に立ち上がれなくなりました。踏ん張ろうとしてもなかなか立つことができませんでしたが、これまでの生活場所を変えるのも負担になってしまうと考え、今までと同じ生活場所で過ごしてもらうことにしました。
そして10月14日に最期の日を迎えました。
キンさんは来園してから北園のツル舎で暮らしてきました。49年もの間ツル舎で過ごしてきたキンさんに思いを馳せていただけたら幸いです。
動物園 谷
 
						 
						 
					 
					 
						 
						 
						 
						








 
				 
              