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オフィシャルブログ

野生オオサンショウウオの調査

2022年12月27日(火)

もうすぐ今年も終わりですね。みなさんどんな年末をお過ごしでしょうか?
私たちも今年を振り返ろう!ということで、夏に実施した「野生オオサンショウウオの調査」についてお伝えします。

東山動植物園では、愛知県瀬戸市の蛇ヶ洞川に生息するオオサンショウウオの調査を実施しています。今年の調査は、瀬戸市環境課の方々や、瀬戸オオサンショウウオの会のみなさんと協力して行いました。

調査では、川の中を実際に歩いて、オオサンショウウオを探しつつ、川の状況がオオサンショウウオの生息地として問題ないか(大規模な環境破壊などが起きていないか?など)を確認します。

1.jpg2.jpg(川でオオサンショウウオを探す様子 )

オオサンショウウオを発見したら、一度捕獲し、その個体の全長、体重などを測定して記録します。初めて野生のオオサンショウウオを見たとき、私自身も「本当にいるんだ!」と驚き(笑)、とても感動しました。

 3.jpg

(実際に蛇ヶ洞川で捕獲したオオサンショウウオ)

4.jpg(計測の様子)

加えて、マイクロチップの読み取りも行います。
実は、過去の調査で捕獲したことのあるオオサンショウウオには、個体識別のためのマイクロチップが埋め込まれているのです。
今年行った調査でも、過去に確認した個体を多く発見でき、オオサンショウウオが蛇ヶ洞川で元気に成長していることを確かめることができました。

5.jpg(マイクロチップを読み取る様子)

計測や、マイクロチップの読み取りが終わると、捕獲したオオサンショウウオは元の場所に放します。

また、オオサンショウウオは巣穴の中で繁殖を行います。蛇ヶ洞川には、ビデオカメラが付いた人工巣穴が設置されていて、巣穴の中のオオサンショウウオの行動を観察できるようになっています。
過去には人工巣穴の中でオオサンショウウオが産卵していたこともあります。人工巣穴は、オオサンショウウオの繁殖の手助けを行うという役割を果たしているのです。
調査では、この人工巣穴の整備も行いました。

 6.jpg(人工巣穴)

オオサンショウウオは愛知県や岐阜県など、わたしたちの身近に生息していますが、絶滅の危機に瀕していて、先日公表された国際自然保護連合(IUCN)のレッドリスト最新版でも絶滅危惧種に指定されました。

動物園が野生のオオサンショウウオの調査を行う意義は、
・生息地の状況が悪化していないかを定期的に確認すること
・オオサンショウウオの野生での生態や生息環境を知り、動物園での飼育・繁殖に活かすこと
そして、
・身近な自然の中でオオサンショウウオが生きていることを、みなさんに知っていただくこと
など、たくさんあると考えています。

東山動植物園では、オオサンショウウオを飼育し、みなさんに観察していただくことはもちろん、野生オオサンショウウオの保全活動も継続していく予定です。

ぜひ来年も、再来年も、オオサンショウウオに会いに来てくださいね!
そして、身近な自然の大切さを感じていただけたらうれしいです。

動物園飼育第二係 川島 ひかり

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