子守りをするメダカたち
私が担当するメダカの中から、子守りをする(腹ビレ保育)メダカを紹介します。
"子守りをする(腹ビレ保育)"とは、母メダカが、産卵した卵をふ化まで腹部につけたまま腹ビレで抱え込むように守るという珍しい生態のことです。みなさんが知っている、水草に卵を産み付ける"メダカ"とは生態が異なります。
世界のメダカ館にはその子守りをするメダカを4種類飼育しています。このすべてがインドネシアのスラウェシ島だけに棲むメダカです。自然下では他に2種類の子守りをするメダカが確認されています。どのメダカも口先から尾ビレの先までの長さが4~15cmと大型のメダカになります。
世界のメダカ館で飼育・展示しているのはエヴァースメダカ、サラシンメダカ、ポプタメダカ、オオフォラスメダカです。
エヴァースメダカ
卵がふ化までの日数は種によって14~21日とばらばらですが、そんなにも長い間、母メダカは数十個もの卵のかたまりを腹ビレで抱えるようにぶらさげて生活しています。時には同種のメダカに卵をつつかれそうになることも多くあります。そんな時は素早く逃げ、水草の陰に身を隠して卵を守っています。わが子を守る母メダカ、強いです!
卵が孵化すると稚魚となりますが、残念ながら母メダカを含む他のメダカに食べられてしまう危険が高いので、稚魚はすぐにほかの水槽に移して育成します。
展示水槽でこの4種とも観察することができます。卵を抱えている母メダカや、ふ化して親メダカたちと一緒に泳いでいる子メダカもぜひ探してみてください!
飼育第二係 田中 理映子