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スローフィーディング

2020年10月30日(金)

ファストフードに対する言葉で、スローフードという言葉をいちどは耳にしたことがあると思います。確か、いま一度食生活や食文化をみつめ直し・・・・・というようなことだと記憶しています。では、スローフィーディングという言葉はどうですか?こちらは反対に耳慣れない言葉なのではないでしょうか。

こちらのスロー、実はスローフードの"slow"ではなく、「投げる」を意味する"throw"なのです。フィーディングは餌を与えることです。今回はそんなお話しです。

半年に1回ほどの頻度で、ニシゴリラたちを放飼場に呼び、野菜などを投げ与えることがあります。これは当初、高齢のネネがキヨマサを身ごもった際、"シャバーニに知られないように"栄養価の高い食べ物を与えるための手段として行っていたことです。現在では個体毎に手渡し給餌を毎日行えているので、シャバーニの目を欺く必要はなくなったのですが、実はもうひとつの目的があります。それは、ネネの視力が衰えていないかをチェックすることです。ただ、ネネにだけ行うということができないため、皆と一緒に行っているのです。

動画をみていただければわかると思いますが、ネネの目はまだしっかり物を追えているようです。動画では野菜ですが、より小さな物でもしっかりキャッチすることができます。皆、キャッチできてもできなくても、特に一喜一憂することもなく淡々としていますが、やはりコドモたちはオトナに比べると表情が豊かです。特にアニーはなんでしょう、失敗したときにみせる表情に思わず、「・・・・ぷぷっ!」と吹き出してしまう面白さがあります。ちなみにですが、キヨマサはキャッチできません。昔からですが怖くて避けてしまいます。まぁ、最近は頭を抱えることはしなくなりましたが。

尚、この給餌方法ですが、開園日に行うことは残念ながらありません。なぜならば、皆さんもよくご存知のように、ゴリラは色々なことが気になってしまう動物です。ほんのちょっと気になることがあるだけで、野菜を受け捕るどころではなくなってしまいますので、どうぞご理解ください。
*絶対に、マネはしないでくださいね。

では、ゴリラたちの新たな魅力が満載の、ナイスキャッチな動画をどうぞ。

動物園飼育第ニ係 伊東 英樹

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