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アルダブラゾウガメのアシュワルは他と少し違うかも?

2020年10月09日(金)

自然動物館の正面入り口の前にあるアルダブラゾウガメ舎。ここには5個体のアルダブラゾウガメが飼育展示されています。冬以外は屋外の運動場にも出てくることが多く、ゾウガメを間近に見ることが出来る施設です。

ここのゾウガメたちを飼育している時に、ある疑問が湧いてきました。「ゾウガメのアシュワル(写真1)と他のゾウガメと甲羅の形が違うな。本当に同じ種類なのか?」という疑問です。

アルダブラゾウガメのことをよく調べてみると、現在世界で生きているアルダブラゾウガメの仲間には、他に2つの亜種(種の中で細分化された仲間(図1))がいることがわかりました。

図1アルダブラゾウガメの亜種.jpg(図1)

その2つの亜種は、セーシェルセマルゾウガメとセーシェルヒラセゾウガメという亜種です。世界的にはこの2つの亜種が動物園や水族館で飼育されていることがすでに分かっているのですが、日本ではこの2つの亜種が飼育されているという事実がありませんでした。

そこで、すでに研究されている論文をもとにして、東山動植物園とその他の国内で飼育されているアルダブラゾウガメの調査を開始することにしました。調査は甲羅の形や甲羅の細かい部位のサイズなどを調べることで行いました。

すると、東山動植物園で飼育されているアシュワル(オス)は、セーシェルヒラセゾウガメの可能性が極めて高いということがわかりました。

他の動物園や水族館でも、アルダブラゾウガメではない亜種である可能性が高い個体が、数個体確認されました。
動物園などでアルダブラゾウガメと紹介されていても甲羅の模様が異なる個体がいるのは、国内にも海外同様、セーシェルヒラセゾウガメやセーシェルセマルゾウガメというアルダブラゾウガメの亜種がいるからなのですね。

写真1.アシュワル.jpg

(写真1)左がアシュワルです。右の個体と甲羅の形が違うのが分かります。

動物園飼育第二係 藤谷 武史

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