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世界チンパンジーの日 〜World Chimpanzee Day 2020〜

2020年07月17日(金)

毎年7月14日は「世界チンパンジーの日」(World Chimpanzee Day)です。野生チンパンジー研究の第一人者であるジェーン・グドール博士が、チンパンジー生息地の一つであるアフリカのタンガニーカ湖畔のゴンベの地へ、今から60年前(1960年)に初めて降り立った日を記念し、2018年に制定されました。

「世界チンパンジーの日」ロゴです。.JPG

博士は世界で初めて、チンパンジーが道具をつくり、道具を使うという事実を発見しました。それまで科学者たちは道具使用こそが私たち人間と他の動物とを区別する境界線だと定義していましたので、この発見によってその定説が覆されました。また、最近は「新型コロナウイルスの感染拡大は、人類が森林を破壊し続けてきたために、様々な種が密になって生きざるを得なくなり、異なる種の動物間でウイルスが広がりやすくなった」と発言されるなど、ソーシャル・ディスタンスは「人・人」「人・動物」だけでなく、自然界「種・種」でも大切と訴えています。

ジェーン・グドール博士(京都大学霊長類研究所提供).JPGジェーン・グドール博士(京都大学霊長類研究所提供)

記念日ではチンパンジーの暮らしを支え、守っている人々の活動を盛り上げるため世界各地でイベントが行われます。野生チンパンジーが直面している問題はそのほとんどが私たち人間の活動が原因です。生息地の破壊や、人間との共通感染症や,違法な商取引などの脅威にさらされています。一般の方々にチンパンジーの魅力や野生での厳しい現実について知っていただくことも大きな目的のひとつです。

博士は平成18年(2006年)に京都大学霊長類研究所へ訪問された折に、東山動植物園にも来園され、当時スタートしたばかりの再生整備プランにもご助言をいただきました。平成30年(2018年)にオープンした「アフリカの森」(新チンパンジー舎)は人間に最も近い生き物であるチンパンジーがより快適に暮らせるよう配慮しました。当園のチンパンジーの群れは現在8頭(オス3頭・メス5頭)。野生と同じ3世代の父系社会でリーダーがもたらす安定した群れの中で、双子のカランとコエもすくすくと成長しています。この機会に、チンパンジーの暮らしや保全に関心をもっていただけたら嬉しいです。

カランとコエ(どっちかなと投げかけもアリ).JPG動物園長 黒邉雅実

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