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オフィシャルブログ

ケイジ君の鳴き方のフシギ

2017年09月01日(金)

来園者の皆様が朝から出待ちならぬ鳴き待ちをされているフクロテナガザルのケイジ君ですが、皆様からいろいろな質問をいただきます。そのなかのいくつかをご紹介しましょう。

○ いつ鳴くの?
野生では決まった時間に鳴くことが多いといわれていますが、ケイジ君とマツさんには、「この時間」というのはないです。(;´・ω・) ただ、午前中の方が確率は高いです。

○ 何回ぐらい鳴く?
1日だいたい2回~3回ぐらい。でもお客さんが多いと、もう1回鳴くこともあります。

○ なんで鳴くの?
テナガザルの仲間は、なわばりを宣言するために夫婦間のオス・メスで鳴き交わすことが知られ、その声は数キロ先まで届くといわれています。ペアを組んでいるオス・メスでそれぞれ決まったパートを声にだし、夫婦で巧みなデュエットを奏でるので、歌を歌う、などと表現されることも多いです。鳴き交わしを通じてペアのきずなを確認するとも考えられています。ケイジ君の声ばかり注目されていますが、じつはマツさんの気分が乗らず(?)鳴かないと、ケイジ君の「あ゛~」という声までたどり着きません。マツさんとの絶妙な掛け合いが必要です。
動物園でも朝、外に出て見回りをしてなわばりの確認をします。ケイジ君の場合、休園日は鳴かないときもあるのでお客さんに反応して鳴いている……(゚Д゚;)かもしれません。


○ なぜあんな声?いつから?
ほかのフクロテナガザルも「(ふ)あ~~」といいます。が、人と一緒で声に個体差があるので、ケイジ君のは“まるでおじさんの叫び声”と言われています。私が動物園に入って20年以上たちますが、その頃はすでにあの「あ゛~~」でした。


今、いろいろなメディアで取り上げられて、たくさんの方に知ってもらったフクロテナガザルですが、一過性のブームではなく、末永くケイジ君とマツさんを見守ってください。

フクロテナガザルは絶滅危惧種に指定されています。スマトラ島やマレー半島に生息していますが、密猟や生息地の破壊で過去40年の間に個体数が半減したとも言われています。国内11動物園で40頭しかいません(2016末現在)。
ケイジ君も、背中に野生の仲間の想いを背負っています。ケイジ君が遥か遠くを見ていたらこれ以上人間の都合で地球をいじめないでと訴えていると感じていただけたら幸いです。


動物園飼育第二係  君島 久恵

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