ゴリラ近況 キヨマサ2歳の誕生日おめでとう!の章
11月1日、ニシローランドゴリラのキヨマサ(オス)は2歳の誕生日を迎えました。
生まれた当初は、母親のネネが40歳(推定)と高齢であったため、無事に育つのか心配していましたが、ネネはお姉さんのアイ(11歳)を育てた時と同じように愛情深く世話をし、母親に温かく見守られたキヨマサは、今日まで風邪などの病気にかかることもなく、元気に成長しています。
アイとキヨマサの両方の子どもの成長に関わった経験から、同じ母親から生まれても、性格にずいぶん違いがあることを感じました。ゴリラの子どもも、人の子どもと同じように目新しいモノに近づきたい、触ってみたいと思う好奇心と同時に、それを恐れて避けたいという警戒心を併せ持っています。
アイは警戒心より好奇心が勝る性格のようで、いろいろなものに積極的に触ることがよく見られました。
あるときは、ゴリラの食害からケヤキを守るために設置した弱い電流の流れる電気柵を触ってしまい、驚いて泣きべそをかきながらネネのもとに逃げ帰ったこともありました。
またアイは担当者を恐れることなく、積極的に接触してくれたので、担当者の指示で口を開けたり、体重計に乗ることなどを早くからできるようになりました。
キヨマサはどうやらアイとは逆で、慎重といいますか、警戒心が勝る性格なようです。
好物を手渡しで与えてもその場で食べず、逃げるように担当者から離れてから食べ始めます。
体を触らせることも好まないようです。
警戒心からなのか接触の仕方がやや粗暴で、担当者の指をかなり強めに咬むことがありますが、これはアイには見られなかったことです。
アイとキヨマサの性格の違いが、個性なのか、それとも性差なのかはよくわかりません。
そういえばキヨマサの犬歯は、すでに他の歯とは明らかに大きさが違い、オスらしさが現れています。
父親のシャバーニも慎重な性格です。
もしかしたらオスは慎重な性格なのかもしれません。
アニーを群れに戻す試みは少しずつ進行しています。現在はシャバーニとアイと3頭で生活できるようになりました。
いよいよ次の段階では、ネネとキヨマサと同居し、アニーの再同居計画は完了する予定です。
現在シャバーニ、アイ、アニーの関係つくりを優先している都合上、ネネとキヨマサが見えにくい状況が続いています。
皆様にはご迷惑をおかけしていますが、ご理解いただきますよう重ねてお願いいたします。
動物園飼育第二係 澁谷 康