ジャックのその後
4月7日に去勢処置を行い、旧オオカミ舎へ移動したシンリンオオカミ、ジャックの近況です。
覚醒後、突然変わった環境に驚き数日ドタバタしていましたが、それでもお腹は空くようで、食欲だけは変わらず旺盛でした。
4月13日に移動後初めてパドックへ出しました。まだ患部が気になるようで、腰がひけぎこちない歩き方がしばらく続きました。
移動から2週間くらいで、ようやく生活のリズムをつかんだようでした。
5月5日には初めて運動場に出しました。
「少し時間がかかるかな?」と思っていたのですが、この一月で以前ここに暮らしていたことを思い出したのでしょうか、躊躇することなく軽い足取りで運動場に入っていきました。
一通り見回りを終えたジャックは不意に遠吠えをはじめました。
こちらへ来て初めてきく遠吠えでした。
返事が返ってくることはありませんでしたが、薄曇りの空の下、その姿は孤高すら感じさせるものでした。
ジャック自身はもちろん、ジャックファンの方々にとっても寂しい気持ちはあるでしょうが、担当者としましては、静かなこの場所でのんびりとした第二の狼生を送ってくれることを切に願うばかりです。
動物園飼育第二係 伊東 英樹