ゴリラ近況 父親と息子の章
前回、このブログでキヨマサ(1歳)が父親のシャバーニ(17歳)に近寄りたがらないとお伝えしましたが、ここのところ、キヨマサから接近するところが見られるようになり、ときにはシャバーニがキヨマサを抱き上げることもあります。
ただ、母親のネネやお姉さんのアイと接している時の無邪気な表情と比べてみると、シャバーニに抱かれているキヨマサの表情は、こころなし不自然さを感じます。偉大な父親の威厳に打たれ、遠慮しているのでしょうか?
いやいや、そうではないようです。ある日の食事の時間のこと、シャバーニがエサを食べているキヨマサに近づくと、その大きな手で、シャバーニにすれば、小さなかけらのようなニンジンやナスを乱暴にとりあげて食べてしまうことがありました。
また、時々おこなうディスプレー(誇示行動)の途中で、シャバーニはネネに向かって突進し、胸に抱いているキヨマサごと突きとばし、転がしてしまうことがあります。
そんなこんなできごとで、キヨマサが抱いているシャバーニへの印象がおよそ想像できるのではないでしょうか。今は、どちらもがんばれ!というしかないですね。
一方、アニーは生後6ヶ月が経ちました。乳歯は8本になり、おとなと同じ食べ物も口にしています。
四肢で立ち上がり、つかまり立ちもできます。
他のゴリラたちとの対面も毎日続けています。好奇心が旺盛なキヨマサが真っ先に寄ってきて、檻越しに手を伸ばし、アニーの体をペタペタ触っていきます。アニーから触ることもあり、お見合いは順調に進んでいます。
まだ皆さんにはお見せすることはできませんが、元気に過ごしています。
動物園飼育第二係 澁谷
康