百獣の皇帝
百獣の王と言えばライオンですが、百獣の皇帝となると何でしょう?
実際にはそんな言い回しはありませんが、その身体の大きさで見る者に威厳を感じさせるゾウこそがその名に相応しいのではないでしょうか。
ちなみにドイツ語で皇帝を意味するカイザー、ロシア語で皇帝を意味するツァーリはともにローマ帝国初期の皇帝たちの家名「カエサル」を語源としていますが、この「カエサル」という名はフェニキア語でゾウを意味するcarsaiに由来するという説があります。
また、後漢時代の部首別漢字字典である説文解字によれば、皇帝の皇の字は「自」と「王」からなるとのことです。そしてこの「自」はもともと鼻という意味を持っていたそうです。つまり、皇は鼻の王。この観点からもやはり百獣の皇帝にはゾウがふさわしい!?
写真は東山動物園で最も大きい動物、アフリカゾウのケニーです。
動物園飼育第二係長 今西 鉄也