タフガイ
4月7日にマンドリルのマンジュウロウ(オス)とコルリ(メス)を分けました。これは主にコルリの体調管理のために行ったことで、マンジュウロウに隣の部屋へ移動してもらいました。と、簡単に書きましたがこれがなかなか大変でした。
マンジュウロウの体型はがっちりしたマッチョ系、人間に例えるならファイター、しかもパワーだけでなくスピードも兼備したバランスのとれたタイプといえるでしょうか。おまけに、「それって・・・何に使うの?」と、思わず聞いてみたくなる程のながーい犬歯をお持ちなので、麻酔でしっかり眠ってもらわなければとてもとても移動など不可能なのです。
しかしながらこのマンジュウロウ、やはりといいますか、なかなかのタフガイぶりを発揮したのでした。そもそもお尻にバスッ!と針を命中させるのもなんだかんだ大変だったのですが、命中してからがまた長かった。運動場に設置してある鉄柱につかまりうつらうつら。
瞼はもうほぼ閉じられているのになかなか倒れない。「おーい」と声をかけると、反応して瞼を開く。効いてるはずなんです、麻酔は。ほぼ体重分は体内に入っているわけですから。いやー凄い根性?やはりファイター、「ダウンなんぞできねぇ」って感じでしょうか。まっ、結局はズルズルッといったのですが、完全に眠ったか確認しようと遠くから棒でチョン、とつつくと「フガッ!」、唸り声とともに腕が飛んできました。いやいやタフですねー。ほぼ無意識でも体に触れられたら反応する。凄いですねー。ただし反撃もここまで。追加の薬を打たれ、はいおやすみなさい。
万一途中で目覚めても被害が最小限になるよう網でぐるぐる巻きにしてさっさと移動しました。
めったにない機会なので、体の各部位の測定および撮影も行いました。ちなみに体重は皆のほぼ推定どおりで約40キロ。やっぱちょっと太いかな。犬歯の長さは上あごの長い方で4.5センチもありました。
ワイルドだろぉ。
動物園飼育第二係 伊東 英樹