クロザル出産! その裏話
3月5日のブログでクロザル出産のお知らせをしましたが、今回はこの出産に気付いた際に飼育担当者間で交わされた会話を少し紹介します。
近藤(以降 近)<観覧通路のシャッターを開けに行く。クロザルの屋内展示室に大量の出血痕を発見。>
「あっ 生まれた!」
和泉(以降 和)<サル舎の異様な声と雰囲気に各部屋を確認して回る。この時に出産に気づく。出産を確認した近藤と対面。>
「うっ、生まれてます⤴。(焦)」
近)「うるさい(怒)」<興奮している和泉をたしなめる。>
和)「はい⤵」
近)「母親がしっかり抱いてるし、腕や足で赤ちゃんを隠しているから大丈夫。今日はなるべく見ないように。我慢して。」
と、短い時間にいろいろ会話したのを覚えています。
興奮する和泉飼育員を見て、チンパンジーの"リキ"が生まれたのを発見した時の自分を思い出しました。私ももう20年近いキャリアなので一緒になって興奮していては格好が悪いという思いもありました。
ただ、今回のクロザルの妊娠から出産には特別な思いがありました。じつは、クロザルにおいて出産自体はよくあるのですが、死産や夭折といった残念な結果に終わったことも多いのです。今回を除き、ここ10年で出産は6回ありましたが、順調に育ったのは2頭のみでした。お腹が大きくなりだしたのに気づいた頃から飼養管理・給餌方法に気を使っていろいろと試みました。
幸いにも3月2日に生まれた赤ちゃんは、生後7日で首を動かして周りを見たり、手でいろいろなものを触ろうとしたりするようになりました。その後も順調で、最近は顔もよく見えるようになったので是非皆さんも御来園の際はサル舎B棟に足を運んでください。
動物園飼育第二係 近藤 裕治、和泉津佳沙(臨時職員)