待ちわびた出産
7月24日、東山動物園のチンパンジー群れ内に14年ぶりとなる出産が見られました。
出産をしたのは昨年8月25日に熊本よりやってきた“カズミ”です。
彼女は熊本にあるチンパンジー サンクチュアリ宇土で生まれ育ち、出産の経験も2回あるチンパンジーですので出産・子育てには問題ないと考えていました。しかし、予想していた妊娠期間を過ぎても出産の兆候がなく、前日もしっかり餌を食べており関係者をヤキモキさせてくれてました。
生んだ日の朝も私がいつもの様に類人猿舎の観覧通路のシャッターを開けていると、展示室寝台の上にいつもはいないカズミが横になっており、不審に思ってよく見ると仰向けになったお腹の上に小さな足が見えたので慌てて獣舎内で確認しました。
カズミもその他のチンパンジー達も落ち着いており、特にアキコは赤ちゃんに興味津々の様で覗き込んでいました。また、出産を見たことのあるチャーリーはカズミを守るように寄り添い、初めての出産を目撃した父親のリュウ(おそらく?)は少し離れてなんかドン引きしているようにも見えました。なかなか面白い光景でした。
さてこうなると皆さんもかわいらしい赤ちゃんがご覧になりたいでしょうけど、火曜日頃から一般公開の予定ですが、カズミが獣舎の奥にいたり、赤ちゃんを隠そうとすることもありますので、そのことは御理解いただきたいと思います。
観れるか観れないかはカズミの気分しだいです。
動物園飼育第二係 近藤 裕治