Zoo is the peace!
2019年06月17日(月)
令和元年6月16日(日)に開催しました「ゾウ列車70周年シンポジウム」にご参加いただきありがとうございました。遠方から足を運んでいただいた方もおられたとお聞きして、企画した立場として、感謝の気持ちでいっぱいです。
冒頭で、動物園ガイドボランティアの皆さんに紙芝居「マカニー・エルドのゾウ列車」について手話付バージョンでご披露いただきました。普段のガイド活動でも一緒にやっている専門チームということもあって息もぴったり、絶妙な語り口に、思わず引き込まれました。ちなみに、東山動物園の2頭のアジアゾウ以外にも、京都市動物園でもゾウが1頭生き残ったのですが終戦後、しばらくして死亡しました。
【動物園ガイドボランティアーズによる紙芝居の様子】
シンポジウムの第一部では、上野動物園、京都市動物園、東山動物園のそれぞれの園長から「戦時下の動物園」についての特別講演、その後に「ゾウ飼育と未来について」のディスカッションを行いました。
特に印象に残ったのは、戦時下で全国の動物園に猛獣の処分命令が出される中、京都市動物園ではマスコミを通じて動物園の動物がいかに安全に管理されているかを市民にアピールしていたという新聞記事のご紹介と、当時の上野動物園長・古賀忠道氏が残された"Zoo is the pieace."というお言葉です。直訳すると「動物園は平和の象徴なり」でしょうか。戦火の動物園を経験された園長ならではの深いお言葉です。動物園が健全であること、動物が生き生きと暮らしていることが社会にとっていかに意義のあることかを表現されたメッセージと理解しています。
今回のシンポジウムをきっかけに命の大切さやゾウの未来について考えていただければ幸いです。福田園長様、片山園長様、ご協力ありがとうございました。
【ゾウ列車シンポジウムの3園長・向かって左から片山園長(京都市動物園)、私、福田園長(上野動物園)】
ゾウ列車についてもっと詳しくお知りになりたい方は、ぜひホームページの東山動物園の歴史>昭和20年代をご覧ください。動物会館で同時開催中の「マカニー・エルドのパネル展」はしばらく展示を継続しますのでぜひご来園下さい。
https://www.higashiyama.city.nagoya.jp/history/zoo/03.html
動物園長 黒邉雅実