4月19日は飼育の日です。
2025年04月19日(土)
動物園長の茶谷です。2年ぶりにこの4月から東山動植物園でお仕事をさせていただくことになりました。どうぞよろしくお願いします。
今月19日は、飼育係の仕事内容を通して動物園や水族館に興味を持ってもらうことを目的に制定された飼育の日です。この機会に、宮内省の鷹匠で、東山動植物園でも動物飼育に携わっていた丹羽有得氏についてご紹介したいと思う。
丹羽氏は明治34年に横浜で生まれ、子どもの頃に旅先の父から届いた「鷹匠」の絵葉書に心を引かれて鷹術を学び、壮年期には日本の鷹匠の最高峰とされた。30代前半には阪神パーク動物園に勤務し、その間にドイツのハーゲンベックサーカスのゾウ使いから飼育や調教の方法を学んだ。昭和18年からは東山動植物園で飼育主任として22年間従事し、ニコニコサーカスのスタートにかかわり、浅井力三氏をはじめ当時の飼育担当者たちに飼育技術を伝えたそうだ。ゾージアムに展示してあるゾウ列車の頃の写真では、子どもたちと一緒にゾウの背中に乗った丹羽氏が戦後間もない頃の子供たちを楽しませようとしていた様子もご覧いただける。
ハーゲンベックといえば、昭和12年開園の際に施設デザインや動物の導入に協力をいただいた動物園である。ゾウの飼育技術も丹羽氏を通じて東山に伝わったであろうことを聞いた時には驚きを感じた。それは今の東山にもミャクミャクと受け継がれ、さくらやうららの繁殖成功にもつながっているのではと思っている。
(参考)書籍名 鷹匠は語る 著 丹羽有得
動物園長 茶谷