アジアゾウ うらら近況
2022年に生まれたアジアゾウのうららは順調に成育し、体重は1500kgを越えました。
このところうららを中心に親子3頭がからむ、次のような行動が時々見られます。
①まず、うららが地面にごろんと横になります。
②それを見つけた10歳年上のさくらがずんずんと近づき、横になっているうららの上をまたいで、おおいかぶさるように立ちます。
③そうなると体の大きなさくらが自分の上に立っているので、うららは立ち上がることも動くこともできなくなります。
④さらにさくらが少し体重をかけると、うららは苦しくなるのか、まるで助けをもとめるように「ゲェ」(私の耳にはそう聞こえますがあくまで個人の見解です)と鳴き声を上げます。
⑤その声を聞いた母親のアヌラはのしのしとさくらに近づき、頭でさくらの体をぐいぐい押してうららの上におおいかぶさっているさくらを押しのけます。
⑥こうして自由になったうららは何事もなかったかのように立ち上がり、歩き出します。
この①から⑥までの一連の流れがワンセットになって、まるで寸劇のように、もしくはマンネリ化したコントのネタのように何度も行われるのです。(下部にその様子の動画があります)
なぜ、さくらが横になったうららの上に立つのか理由はわかりません。うららもさくらに乗られることが苦痛であったなら、さくらが近づく前に立ち上がればよいはずなのに、そうしないのはうららにとってもこの一連の行動になにかしらの快感があるようです。うららの鳴き声はアヌラに助けを求める意味があるようで、アヌラは声が聞こえたらさくらを排除しうららを助ける行動をします。
もしかしたら、アヌラがさくらを押しのけて終わる寸劇のような一連の流れは、「なにこれ、めっちゃ楽しいじゃん!」と気づいたうらら自身が演出しているのかもしれません。
動物園 アジアゾウ担当