Now Loading...

Now Loading...

サイト内検索

文字サイズ

チケット

オフィシャルブログ

令和6年9月7日(土)に第39回東山再生フォーラムを開催しました。

2024年10月16日(水)

令和6年9月7日(土)に第39回東山再生フォーラムを開催しました。
今回の再生フォーラムでは、「くらしの中に動植物を」と題しまして、講演とパネルディスカッションを行いました。

第39回再生フォーラムチラシ【最終】_ページ_1.jpg

 講師には有限会社メイガーデンズ代表の柵山直之さんと東山遊園株式会社の朝日恵子さんをお招きしました。
 星が丘テラスのガーデナー講座の講師をされている柵山さんから、『植物のある暮らしをこのまちから』という題目で講演いただきました。
 三重県の菰野町にて造園業を営まれている柵山さんですが、イギリス旅行中に出会ったイングリッシュガーデンの風景に衝撃を受け、その風景を日本でも再現したいという、強い思いが造園という職種で働くきっかけでした。
 その後、日本は不景気になり、植物はいわば贅沢品として、予算が削られるような社会の流れのなか、植物の楽しさを伝えていきたいと考えていたところ、色々な巡り合わせがあり、星が丘テラスでのガーデニング講座を開催することになりました。講座では、コミュニティーガーデンとして、花壇を設置し、季節ごとに植え替える1年草ではなく、宿根草をベースに、市民・住民が学びながら、街の景色となる花壇を管理していくということに取り組んでいます。
 また、まちの中で見逃している命のきらめきに気付いてほしいと、植物と生き物が両立するガーデニングを目指し、虫にやさしい、無農薬で管理をするだけでなく、時には巣を作ったクモを活かして、ハロウィンの雰囲気を作り出す工夫もしています。無農薬での花壇管理は既に7年目になるとか。講座の参加者が撮り溜めた花や生き物の写真を使って、写真展も開催したそうです。
 その他にも、イギリスの「ガーデンディ」を真似て、花冠をかぶって一日を過ごすイベントや、植物に特化した「フルールマルシェ」の開催、ヒマワリやワタの栽培講座など様々なイベントを開催しています。
 今後は、星が丘を東山動植物園と連携して、花のまちづくりの1つのモデルとしていきたいとして、お話しいただきました。

DSC03395.jpg

 星が丘テラスの施設装飾や産学連携の企画・連携を行っている、朝日さんからは『星が丘テラス 植物を通したまちづくり』という題目で、星が丘テラスでの取り組みや、東山動植物園との繋がりなどについてお話いただきました。
 星が丘テラスでは、「ボタニカルタウン」という考え方を軸に、人と自然を思いやるまちとして、人や環境に配慮したテナントの誘致や、人と自然が集う風景のある、植物を通じた街づくりを目指して、施設の管理を行っています。
 2021年からは、1年草を使った「装飾」としての花壇を、宿根草を中心とした「学び」の場に変え、学校の実習で使ったり、ガーデニング講座で手入れを体験したり、一般の方も触れることができる花壇に変えています。
 産学官連携の取り組みとして、(有)メイガーデンズ代表の柵山直之さん監修のもと、東山植物園と椙山女学園大学とともに、母の日の後に出るロスフラワー(廃棄される花)を利用して、お客様をもてなす「フローティングフラワー」という取り組みも行っています。売れなくなった花に新たな付加価値を付けることで、来園者を楽しませるものになるという発想の転換が、学生の学びにも繋がっています。

IMG_4661_操作履歴記録.jpg

<温室前館でのフローティングフラワーの様子>

 その他にも、植物が生き物の住みかとなることに気づいてもらえるよう、虫の住みかとなる、「インセクトホテル」を設置していることや、ワークショップで「竹あかり」を作る中で、各地で発生している竹害やその取り組みに関心を持ってもらうような場を提供していることをご紹介いただきました。星が丘テラスの植物に関わる様々な講座やイベントに参加する方は、なんと年間300人以上になるとのこと。
 ただ緑を増やしたり、守ったりするだけではなく、生かすことを大切にしながら、植物と関わる機会や取り組みを増やしていき、星が丘のまちを、人と自然を思いやる素敵なまちにしていきたいとして、お話しをしていただきました。

DSC03412.jpg

 講演の後には、パネルディスカッションを行いまいた。
 パネリストとして、柵山さん、朝日さんのほか、東山動植物園植物園長の下総勝義を加え、コーディネーターは同園再生整備課担当課長の平泉智子が担当しました。

DSC03456.jpg

 パネルディスカッションでは、小さい頃に花壇を飾るイベントで先生に褒められた経験が植物への関心を持つきっかけになったことや、イベントを通して、参加者だけではなく地域の人たちにとっても自分たちの庭のような感覚で花壇を見守っていただいていること、生き物との関わりについては、昔怖かったバッタが今はかわいいと思える瞬間が来たこと、実は東山植物園には野生のキツネが暮らしていることなどが話題として紹介されました。また、人類はいつ花を美しいと思ったのかを、動植物園で探求したら面白いのではといったアイデアも飛び出しました。
 そのあとの質疑応答の時間では、会場からパネリストへ、昆虫との共生はどのように考えているのかなどの質問があり、星が丘テラスでは、人用と虫用に植物を2本ずつ植えているといった事例に触れながら、生き物との共生にどのように取り組まれているかお話しを聞くことができました。

 また、その他に東山動植物園からは、今年オープンした植物園のお花畑など再生プランの取り組み状況のご報告と、星が丘テラスを起点に植物園内を巡り、季節の植物について楽しく学ぶ、植物楽講座のご紹介を行いました。

 講演には、約50名の方にご参加いただき、植物や生き物との結びつきや、植物を介したまちづくりの取組みについて知ることができる、貴重なお話に耳を傾けていらっしゃいました。
今後も皆様に有意義に感じていただけるような再生フォーラムを企画してまいります。


東山総合公園 再生整備課

ブログ一覧へ戻る

最新の記事

カテゴリーリスト

top