ツシマヤマネコの仔 2024 フラッディング
今年生まれの仔らのフラッディングを実施することとなりました。
左から、あざも、しゅうし、ひとえ、つつ、かりお
フラッディングとは、新しい刺激・環境に「安全だと」長時間経験させることにより嫌悪環境を好環境に転換する方法で、今までのツシマヤマネコ飼育の積み重ねから、なるべく早い段階でフラッディングすることが、飼育下での繁殖に寄与する個体の育成に繋がると推奨されています。
今まで非公開エリアで飼育されていた仔らを公開エリアで飼育し、人目にさらすことで様々な刺激に順化させます。昨年も「したる」で実施していました。
またこれは、今のところ野生復帰させる予定がないことが前提になります。
野生下の個体数減少が止まっている現時点でのツシマヤマネコ飼育下個体群(動物園飼育個体のこと)の最大の意義は、「ツシマヤマネコ絶滅回避のための保険」となることです。なので、現状では、この5頭の仔らも野生へ帰る予定はありません(今後、野生下個体数が増加に転じて保険も必要なくなるといいのですが)。
5頭は生後2ヶ月齢からのミキシングにより元からの兄妹の様に過ごしています。さご・さすな・したるに続く勇希の仔と、新たな血統となるBeny Sumoの仔になります。元気にすこやかに、そして子孫を残すことができるように育てなければなりません。
なにぶん寝室の出入りを自由にした状態での実施かつ、多くの方の来場が予想されます。子供たちの健全な成長のため、皆様には良識のもと譲り合って、フラッディングにご協力いただければと思います。
そして、当園のツシマヤマネコを好きになっていただき、対馬のツシマヤマネコへその想いを届けていただければと思います。
野生ツシマヤマネコ情報は以下のサイトをのぞいてみてください。
対馬野生生物保護センター(リンク)
NPO法人どうぶつたちの病院(リンク)
動物園 加藤