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ツシマヤマネコと環境エンリッチメント

2022年11月29日(火)

まずは簡単に『環境エンリッチメント』の用語説明をします(ブログをご覧になっている方々には必要ないかもしれませんが)。環境エンリッチメントとは「個体に対して選択肢を増やすことで、その種の適切な行動と能力を引き出してenrichment(豊かにする)の字の通り、豊かな飼育環境を提供しようという試み」のことです。単にエンリッチメントと言う場合も多く、また内容によって社会・認知・空間・感覚・採食の5つに分類されます。

トラヤマ.00_02_40_13.静止画030.jpg

今回、ツシマヤマネコにおこなっている、いくつかの環境エンリッチメントのうち、採食エンリッチメントの一つを紹介します。
餌を入れた封筒を吊るして給餌することで、疑似的な狩猟行動を引き出し、活動時間の増加を目的としています。勇希自身がどうしたら餌を手に入れられるかを考え行動し、安心して採食できる場所まで運び、鳥の羽根をむしるように封筒を引き裂き、ようやく中の餌を食べることができます。
(紙封筒(たまに紙袋)は、針なしホチキスで封をし、巻き付き防止のために塩ビ管にロープを通して吊るしています。)


慣れてくると簡単に取れるようになってしまうので、少しずつ位置や高さを変更しています。

本来エンリッチメントにはSPIDERモデルといって「目標設定(Setting goals)、計画立案(Planning)、実行(Implementing)、効果の記述(Documenting)、評価(Evaluating)、再調整(Re-adjusting)」のステップを回して常に改善していくことが求められます(企業で言うPDCAサイクルのようなものです)。が、きちんとモデルを回すのはなかなか大変で、実際は"D"の部分が疎かになってしまうのが悩ましいところです。

動物園飼育第一係 加藤 俊紀

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