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オフィシャルブログ

アジアゾウ近況

2022年10月04日(火)

アジアゾウの子どもが生まれて3か月が経ちました。はじめて屋外に出た8月8日(生後6週)の体重が200kgだったのが、9月26日(生後3か月)には275kgになっていました。順調に成育しているようです。

左から仔ゾウアヌラさくら.jpg柵ごしに頭を触ってみることがありますが、けっこうごつごつとしてかたく、そしてなによりとてつもなく重いのです。ぐりぐりと頭を押し付けてくるときに、両手で体重をかけて押し戻そうと試みても、全く動かないどころか、逆に柵に手を挟まれそうになり、冷や汗をかかされます。その重さをたとえるなら、泣いているときの子泣きじじい、といった感じでしょうか。

アヌラの最初の子どものさくらのときは、初めての出産ということに対する不安や心配はあったものの、その後アヌラがとてもよい母親だということがわかったので、親子2頭の関係については、安心して見守ることができました。今回は、母親のアヌラ単独でなく、さくらも同居した状態で出産が行なわれました。他のゾウがいる中での出産は日本の動物園では珍しいことです。

今回の出産で最も気がかりだったことは、さくらと仔ゾウの関係でした。幸いなことに、さくらは仔ゾウが生まれた直後こそ驚いた様子でしたが、そのあと排他的な行動はなく、仲間として受け入れているようなので安心しました。

仔ゾウとさくら.jpg

また、アヌラは子育ての一部をさくらに任せてしまうことがあり、これは意外な出来事でした。その分、前回と比べ、アヌラの負担は少なくなっているようです。逆にさくらは今まで自分中心のお嬢様生活でしたが、四六時中仔ゾウがそばにいる生活に変わりました。ちょっとだけひとりになりたい時にも遠慮なくまとわりついてくる仔ゾウにイライラすることもあるようで、そんな時にはさくらは仔ゾウをつき離すために押したり蹴ったりすることもあります。見ている私たちも冷やっとしますが、母系集団で生きるゾウたちにとっては、姉妹がお互いに適度な距離感を学ぶ過程も必要不可欠なため、そのあたりは母アヌラにまかせることとしています。

アジアゾウ本来の群れでの出産、子育てはさくらにとって、きっと貴重で大切な経験になると期待しています。仔ゾウの成長のためにも母親以外のゾウとの生活はやはり大切な経験となるはずです。これからも慎重に見守っていきたいと思います。

飼育第一係 渋谷 康

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