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サバンナの思い出(5)

2022年10月23日(日)

2004年に訪れたケニア共和国の思い出をまとめたアフリカ紀行の第5回です。今回は「マサイマラ国立保護区(その1)」です。ケニア共和国のマサイマラ国立保護区は、隣国タンザニア連合共和国のセレンゲティ国立公園とつながっています。 ケニア共和国では最も野生動物の密度が高くライオン、チーター、ヒョウなどの大型肉食動物に出会う機会が多いことでも知られます。 サファリ・カーでの動物観察に加えて、空からのバルーン・サファリ(熱気球)も楽しめます。

マサイマラは「マサイ」と「マラ」の造語で、「マサイ」はマサイ族の住む土地であることを意味し、「マラ」は英語のスポッテイング (点在する斑点模様) を意味しています。 この保護区を上空から見ると淡い緑の草原の中に濃い緑の森林がポツリポツリと点在する景観であることが名前の由来です。

保護区を流れる"マラ川"はケニアとタンザニアとの国境付近を流れる河川で、カバやナイルワニが生息しています。またシマウマ・ヌーの大群が川を渡ることでも有名です。ナイルワニの性格は荒く、水中の魚はもちろん、水辺に近づく哺乳類を襲うこともあります。 遠くから見るとワニはまるで川に浮かぶ流木のようです。口を開けているワニもいましたが、これは威嚇しているのでなく、口から熱を逃がし体温調節をしているためです。

川辺のナイルワニ(流木に見えます).JPG

ナイルワニ(約4m).jpg

ナイルワニと同じ水辺から目線を少しずらすとカバの群れが見えました。「ヒッポ・プール」 とは、カバの生息する川の流れの緩い場所のことです。 カバは水さえあればいいのでなく、流れが速くないこと、付近に餌場となる草地があること等が条件とされています。

ヒッポプール(餌場に近い).JPG

それにしても、肉食動物であるナイルワニと草食動物であるカバがこれほど近くで一緒にいるとは想像をしていませんでした。雄カバは水辺に縄張りを持ち、威嚇して守れないときは激しく闘い、その長い犬歯で相手に傷を負わせることも少なくないといいます。 カバと言えば、動物園ではおっとりとした大人しい動物のイメージがありますが、 野生のカバはナイルワニも一目置く存在であることに驚かされました。

カバとナイルワニ.JPG

次回は、マラ川の川渡りポイントに移動します。

さて10月8日(土)にアジアゾウの赤ちゃんの名前が「うらら」に決まりました。
うららかな太陽の光のように温かく優しく照らす存在になって欲しいという想いが込められています。これからもよろしくお願いします。

また「第25回人気動物ベスト10」(11月3日(木)まで)を園内で行っております。この機会にぜひご来園いただき、お気に入りの動物に投票して下さい。

動物園長 黒邉 雅実

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