梅子黄(うめのみ、きばむ)星が丘門花便りNo.143
2022年06月21日(火)
こんにちは。星が丘門公園愛護会です。毎月第1水曜・第3水曜の10時半から約1時間、東山動植物園の星が丘門周辺で花ボランティアをしています。
6月14日、東海地方は梅雨入りしました。翌日の15日は活動日。午前7時ごろは小雨が降っておりましたが、活動時間が近づくにつれて空が明るくなり、「よっしゃー! 花ボラじゃー!」と東山動植物園へ向かいました。威勢がいいのは次の要素があったから。
昨日は雨が降っていたから草が楽に抜ける
今日はうっすら曇っていてそんなに暑くない
しかも午後から降りそうだから水やりをしなくてもよい
自動車学校から植物園までの坂道にある円筒形のプランターでは濃いパープル系の花々が競うように咲いています。花の名はアンゲロニアとセンニチコウ。
直方体のプランターは、淡いパープル系で、少女のような風情。特にセンニチコウの白色が涼しげだと思いました。
さらに坂を上ると入口です。前回は葉っぱだけだったキンレンカが黄色い花を咲かせ、ハツユキカヅラと夢の競演。プランターのアンゲロニアとセンニチコウも順調に育っています。
花殻摘みにいそしむSさん。若い力が加わって本当に助かっています。
M夫人は鎌を使って草取り。タイルの目地の隙間から生えてきた草を取るには鎌が有用なのです。
そうこうするうちに小雨が降り出しました。ほぼ皆勤賞のMMさんが来ないのは寂しいなぁ...なんて考えながら歩いていたら、靴底にぬるっという感触。何を踏んだ?と足元を見たら、15cmはあろうかという大物のミミズ!今日はミミズにとって絶好のお散歩日和だったのかもしれません。なのにうっかり踏んじゃって...。「大丈夫、生きてますよ!」と、Sさんが移植ゴテに乗せてミミズを土のあるところまで移してくれました。
ほっとしたところへMMさんが登場。「時計を読み違えて...」とおっしゃるけれど、会えたことが嬉しくて、お元気なことが嬉しくて、嬉しすぎて彼女を写すのを忘れてしまいました。抜いた草をゴミ袋に入れるといった小さな作業も、一緒にやれば手際よくでき、人と人は支えながら生きていくのが幸せ...と改めて思いました。
小雨が徐々に強くなり、来園した方からは「風邪をひかないようにね」と声をかけていただき、少し早めに活動を終えました。雨のおかげで水やりを省略できて助かりました。
今回の表題「梅子黄」(うめのみ、きばむ)は、七十二候の一つ。いわば季節の告知板で、梅の実が淡い黄色に色づくころが梅雨入りのサインということなのでしょう。
梅といえば、こんな句を見つけました。
青梅に眉あつめたる美人かな 与謝蕪村(よさぶそん)
梅の木の精のような美人が、一つ口に含んだ青梅の酸っぱさに眉を寄せた。梅の葉の青い影が白い額に映え、黒く細い眉が、くっと持ちあがる様子が浮かぶ(解説:夏井いつき)
...読んでいるうちに、自分の口の中も酸っぱくなりました。
もう一句、梅雨のうっとうしさが消えてしまう作品をどうぞ。
青蛙おのれもペンキぬりたてか 芥川龍之介(あくたがわりゅうのすけ)
ユーモアをキャッチできると幸せです。
令和4年6月19日 星が丘門公園愛護会会長 濱田 淳子
(担当:植物園緑地造園係 丹羽 幸恵)