立夏(星が丘門花便りNo.141)
2022年06月01日(水)
こんにちは。星が丘門公園愛護会です。
毎月第1水曜・第3水曜の10時半から約1時間、東山動植物園の星が丘門周辺で花ボランティアをしています。
今月は18日に活動しました。恒例の初夏の植替えです。星が丘門に到着すると、たくさんの花苗が準備してありました。
これらは、アンゲロニアという名で、星が丘門愛護会が植えるのは初めてです。今年度はうれしいことに、「星が丘テラスとの調和」を図ることになり、花々の色彩も雰囲気も貴婦人の如し。
今回植えたのは、アンゲロニアと千日紅の2種類ですが、様々な色のおかげでファンタジックな仕上がりとなりました。まずは仮置きの様子からご覧ください。
苗の数が多いとき、仮置きせずに植えると、苗が不足したり余ったり色のバランスが変になったり...ということが起こりがち。植え直すと手間がかかるし、苗にも負担をかけてしまいます。だから仮置きはとても重要なのです。
今回は「プランターの形によって色味を変える」というアイディアを星が丘テラスから授かり、円筒形のプランターには濃い色味の花を、直方体のプランターには淡い色味の花を集めました。
最初の指示が皆にいきわたっていたから、あちらでもこちらでも寄せ植えが効率的に進みました。
天気が良かったので来園者も多く、その傍らで奮闘する我々。
「この活動をアピールしましょうよ」と、星が丘テラスのSさんがポスターを試作してくれました。
植えた後の水やりも重要です。花には水がかからないよう気をつけながら、根元にたっぷり与えました。
気がつけば11時半を過ぎておりました。なんだか疲れたねえ...とか言っていたら、歩道に黒猫が! お疲れさまと言いたげにお座りしていました。「ネコ‼」と、声をかけると歩道から車道に移動して我々のそばを通り過ぎていきました。車が次々に走りゆくのでひやひやしましたが、黒猫は無事に自動車学校の敷地へ。
今回植えたのは、パープルやピンク、白の花々でしたが、黒猫の写真には自生の黄色いガザニアが一緒に写り込み、偶然とはいえ、なんて素敵な色合わせ...と自画自賛。(=^・^=)
さて、今回の表題「立夏」は、二十四節気からいただきました。今年の立夏は5月5日から5月20日まで。陽ざしが強くなり、少しずつ夏の気配が感じられるようになりましたね。立夏を強く意識した歌として、新古今集にこちらが所載されています。
春過ぎて夏来たるらし白妙の衣ほしたり天の香久山 持統天皇
「あれ? なんか違うような...」と、違和感を覚えた方がいらっしゃるかも。それもそのはず。小倉百人一首に収録されている持統天皇の一首は次のとおりなのです。
春すぎて夏来にけらし白妙の衣ほすてふ天の香久山
歌意は、「春が過ぎて夏が来てしまっているらしい。夏になると真っ白な衣を干すという天の香久山なのだから」だそうです。
天の香久山は、奈良県橿原市の山。持統天皇のいた藤原京から見て、この山は東南の少し離れたところに位置しているとのこと。天の香久山が天上から降りてきたという神話的な想像力を働かせながら詠まれたのでしょうね。
5月21日からは小満。あらゆるものが健やかに育つ時期です。星が丘テラスから植物園の星が丘門までの道のり、アンゲロニアと千日紅の競演をお楽しみください。
黒猫に遭遇するチャンスがあるかもしれません。(=^・^=)
令和4年5月22日 星が丘門公園愛護会会長 濱田淳子
(担当:植物園緑地造園係 丹羽 幸恵)