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飼育の日2022 ~調査・研究編~

2022年04月16日(土)

毎年4月19日は「飼育の日」です。動物園・水族館にとって欠くことできない存在である飼育員さんのお仕事を通じて、動物園や水族館の役割を理解してもらうことを目的として、(公社)日本動物園水族館協会によって2009年に制定されました。

飼育の日(修正).jpg

今回は飼育員さんのお仕事の中から「調査・研究」についてご紹介したいと思います。動植物園における調査・研究の役割としては、野生動植物の飼育や栽培に関するデータを科学的に分析することで、希少動植物の繁殖や飼育・生育の向上、生息地の保全に役立てることにあります。

動物行動のビデオ観察・解析.jpg

コアラの行動観察の様子(コアラ舎管理室)

例えば繁殖期・子育て以外はオスとメスが離れて行動するコアラ・トラ・ゾウなどの種は、ペアリングをするタイミングがわかりにくいといった特徴があります。そのような場合は、飼育動物の状態を記録したビデオ観察による発情行動の解析と血液から採取した性ホルモンの動きと関連づけることで、適切な時期を知ることができます。さらに近年では、直接に観察できない夜間の状態を映像で記録することで、動物福祉の向上につなげようとする取り組みも見られます。

また飼育員さんが大学との生息地の調査に同行するなど担当動植物についての共同研究に参画する事例もあります。当園の飼育員さんが提供した標本から、愛知県西部から知多半島に生息する小型のサンショウウオの一種が新種であることが分かり「オワリサンショウウオ」と命名されました。他にも海外で採取したメダカが新種と認められた事例があります。


DSC03839.JPG

オワリサンショウウオ(自然動物館)

飼育員さんのお仕事というと飼育動物にエサを与えて、飼育環境を整えるといったケアだけと思われがちですが、このように飼育動物から得られる様々なデータを野生動物の研究につなげる取り組みも行っていることもこの機会にぜひ知って下さいね。現在、春まつりの人気イベントである飼育員さんによる土日限定のアニマルトークやGW動物講座を行っています。ご来園いただいて、飼育員さんならではの担当動物のお話しに耳を傾けてみてはいかがですか。


動物園長 黒邉雅実

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