今年の紅葉は。
10月中旬になると、北海道からいわゆる紅葉前線がスタートします。春の桜前線とは逆に徐々に南下していきます。東山動植物園では例年11月中旬から下旬が見ごろになります。
【東山植物園:合掌線】
❖どうやって赤や黄に色づくの?
それでは紅葉の仕組みについて解説します。紅葉は一日の最低気温が8℃を下回り、夜間低温にあい、昼夜との気温差が大きくなる頃、葉のタンパク質が分解されてアミノ酸に変わり、アミノ酸と離層(花や葉が脱落する時に働く特殊な細胞層)によって移動が妨げられた糖から赤の色素であるアントシアンが生成されます。そして同時に、葉緑素が分解されて緑色が消失するため、アントシアンの赤色が目立ち紅葉します。またアントシアンができない樹種では、葉緑素の分解により、カロチノイド系の色素が目立ち、黄色く染まります。
さて、今年の紅葉の具合はどうでしょうか。今のところ台風による葉擦れや落葉もないため、今後の天候や気温にもよりますが、ここ数年では一番いい状態にあることから期待が持てます。
今から待ち遠しいですね。
❖植物園見ごろの花
【曼珠沙華(マンジュシャゲ):ヒガンバナ科】 奥池
【白花曼珠沙華(シロバナマンジュシャゲ):ヒガンバナ科】 宿根草園
【白玉星草(シラタマホシクサ):ホシクサ科】 湿地園
【秋桜(コスモス):キク科】 お花畑
【秋桜(コスモス):キク科】 お花畑
秋は実りの季節。食欲の秋。花を見つつお弁当を食べて、植物園を楽しんでください。
植物園 緑地造園係長 太田幹夫