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この時期のよくあるご質問。《鉢植え植物編》。

2020年06月12日(金)

  • 植物園
  • 鉢植え植物

【植物園のバックヤードでは、たくさんの植物を鉢で管理しています。】

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◆質問1:鉢植えの植物に水をあげても、葉が萎れたままもどらない。葉も黄色くなってきた。

このような症状になる原因として、まず考えられるのは根です。葉が萎れているから水枯れかなと思って、どんどん水をあげると、気温が高くなるこの時期は、特に鉢内が蒸れて根が傷み、根腐れの原因となります。また鉢の土が固くなっている場合には、今度は水が浸透しないことで、土の隙間にある空気が入れ替わらず(空気(酸素)が不足して)根が呼吸できなくなる場合や根詰まりの場合にも、同じような症状になります。
そのため鉢で植物を育てる場合は、2~3年に一回は必ず植え替えをして、水はけを改善する必要があります。植え替えに用いる土は、植物の種類にもよりますが、水はけを重視して小粒の赤玉土:小粒の鹿沼土:市販の培養土を1:1:1に配合して、あとは植物の好みや栽培環境に合わせて肥料などを施します。鉢植えでは水持ちも重要ですが、どちらかといえば水はけを重視した方が失敗はありません。植物は基本的に乾燥に対しては耐性があります。


◆質問2:大きい鉢に植えてあるのに元気がない。

これもよくある勘違いです。大きな鉢に植えれば、たくさん根が張れるから元気に育つだろうと思いがちですが、実はこれも水と関係があります。大きな鉢に植えた場合、土の量が多いことで水持ちがよくなり、気をつけていないと常に水分過多の状態になることで根腐れを起こしやすくなります。そのため鉢のサイズは、植物を植えた時に全体がバランスよく見えるくらいがおすすめです。また鉢には素焼きと釉薬のかかった塗りの鉢がありますが、通気性や蒸れを考えると素焼きの鉢がおすすめです。

◆質問3:元気がないので肥料をたくさん与えたが回復しない。

これもよくありがちなのですが、肥料分が足りないことで、急に元気がなくなることはまずありません。おそらくこれも他に原因があると考えらます。はじめに原因として考えられるのは、根腐れや根詰まりですが、病害虫が原因であることも考えられます。ここで気を付けたいのは、もし原因が根腐れの場合は肥料を与えることで、さらに症状が悪化させてしまうことがあります。これは根が弱っている状態では、与えた肥料分を吸収できないため、施した肥料の成分が濃縮されて根を傷めてします。植物に元気がないときは、まずは風通しの良い半日陰に移動させてしばらく様子をみてください。
一方で病害虫が原因の場合は、症状にあった適応農薬を散布します。葉の食害、害虫、糞、病斑があれば、病害虫です。ただし根に病気がある場合は、発見が困難なうえ、発症が出てきたころには既に手遅れの場合も多いため、特に注意が必要です。

【バラ:黒星病】

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【バラ:うどんこ病】

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◆植物園の花 ★ちょっと控えめに咲く花々を紹介します。

【カシワバアジサイ'スノーフレーク':アジサイ科】

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【カシワバアジサイ'ハーモニー':アジサイ科】

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【珊瑚刺桐(サンゴシトウ):マメ科】

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【庭七竈(ニワナナカマド):バラ科】

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【大半夏(オオハンゲ):サトイモ科】

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【紫式部(ムラサキシキブ):シソ科】

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【石榴(ザクロ):ミソハギ科】

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【半夏生(ハンゲショウ):ドクダミ科】

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※半夏生の頃に咲くことが、名前の由来になっています。
半夏生とは七十二候の一つで、夏至から11日目に当たる日から5日間をいいます。2020年は7月1日から7月5日が半夏生です。

◆鉢植え植物を室内に置くことで、生活に潤いや心に癒しの効果が期待できます。しかし一方で鉢植えは地植えに比べて手間がかかるのも事実です。そのため最初は欲張らず数鉢から始め、徐々に増やしていくことをおすすめします。


植物園緑地造園係長 太田幹夫

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