長日植物、短日植物、中性植物。わかりますか。
❖長日植物・短日植物とは。
1日のうち、明るい時間の長さを「日長」といいます。
《長日植物》
冬至から夏至までの期間は、日に日に昼の時間が長くなる(夜の時間が短くなる)頃に花をつける植物を長日植物といいます。
(例;カーネーション、宿根スイートピー、ペチュニア、アヤメ、ダイコン、アブラナなど)
《短日植物》
夏至から冬至までの期間は、日に日に昼の時間が短くなる(夜の時間が長くなる)頃に花をつける植物を短日植物といいます。
(例:アサガオ、キク、コスモス、ポインセチア、シャコバサボテンなど)
ちなみに2020年の夏至は6月21日、冬至は12月21日です。
【大根(ダイコン):アブラナ科】
【綾目(アヤメ):アヤメ科】
◆長日植物や短日植物は、どのようにしてつぼみをつくる季節を知るのでしょうか。
実は植物は昼の時間の長さ(明るい時間)ではなく、夜の時間の長さ(暗い時間)を葉で感じて反応していることがわかっています。キクに代表される電照栽培では、照明を使って日長を調節することで、一年中出荷できるようにしています。
もちろん日長に関係なく花を咲かせる植物もあります。このような植物は、中性植物といいます。(例:バラ、ゼラニウム、ヒマワリ、シクラメンなど)
◆ではなぜ夜の長さから、季節の変化を知ることがよいのでしょうか。
これは夜の長さは変動がなく、安定しているからです。気温は冷夏や暖冬もあり、必ずしも安定しません。そのため季節の訪れを間違いなく知るには、夜の長さに反応するのが確実といえます。
❖植物園の花
【蛍袋(ホタルブクロ):キキョウ科】
【沢蓋木(サワフタギ):ハイノキ科】
【夏櫨(ナツハゼ):ツツジ科】
【莢蒾(ガマズミ):レンブクソウ科】
◆皆さん、おわかりいただけましたか。
なんとなくアサガオのように夏に花が咲く植物は、長日植物と思いがちですが、夏至と冬至を基準に考えるとナットクですね。
植物園緑地造園係長 太田 幹夫