キリとキリモドキ
キリとキリモドキの花をご紹介いたします。
◆キリ
Paulownia tomentosa (Thunb.) Steud. キリ科
中国原産で、古くから日本の各地でも見られる植物です。
東山動植物園ではお花畑休憩所の北側にあります。桐ダンスの材料としてなじみ深い植物ですが、薄紫色の筒状釣鐘形の花序をたくさんつけます。
下から見上げて写真を撮ると5月の爽やかな空に映えます。
花を見てみると、5~6㎝ほどの筒状釣鐘形で、花冠の外側に柔らかい毛が密生しています。下部から花弁は繋がっていますが、先端部では5裂に分かれています。萼(がく)が茶色のモフモフで覆われ特徴的です。
◆キリモドキ(ジャカランダ・ミモシフォリア)
Jacaranda mimosifolia D.Don ノウゼンカズラ科
ボリビアからアルゼンチン北西部原産で、世界では並木のように植栽されている地域もあります。
東山動植物園では中南米産植物温室にあります。
花の色はキリよりも濃い印象で、淡い青藤色で美しく、こちらも初夏のさわやかさがぴったり。ひとつの花房に多くの花を付けるので見ごたえあります。
花を手にしてみると...キリに似ています。
キリ同様に筒状の花は5㎝ほどで、やはり下部から花弁が繋り、先端部では5裂に分かれています。花弁の外側よりも内側には毛が沢山ありました。
キリの花に似ていることからキリモドキの和名を持ちますが、ジャカランダの名前でご存知の方も多いと思います。
'モドキ'と名前につくと「まがいもの」みたいな印象がありますが、いえいえ、どちらも美しい花です!
植物園緑地造園係 野村 幸央