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植物の色(織部 おりべ)

2019年09月01日(日)

  • 植物園長の庭

暑い夏も終わりが近付き、色々な種類の木の実が観察できる季節になりました。雨がたくさん降った翌日の植物園には、たくさんの木の実が落ちています。チャンチンモドキ、アーモンド、ドングリにトチの実...、園路を歩くのがとても楽しみです。
 今回の植物の色は、「織部(おりべ)」を取り上げました。織部は、陶器の織部焼に由来する深味のある暗緑色です。

写真① 織部焼の傘立て.jpg

織部焼の傘立て

織部焼は、美濃の茶人、古田織部が「緑釉(りょくゆう)」を使って焼かせた焼き物ですが、焼き上がった釉薬の表面が酸化して、鮮やかな緑色が発色しない事があります。

写真② トチとアベマキの実.jpg

トチとアベマキの実

さて、ここでトチの実とアベマキの出番です。トチの実の笠(種を包んでいる部分)やアベマキの殻斗(かくと)を長時間水で抽出した液体に、焼き上がった作品を浸けると、表面の酸化被膜が取れて鮮やかな緑色に変わります。
植物を焼き物の発色にまで使ってしまう人間の知恵には、驚くばかりです。

植物園長 谷口茂弘

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