絶滅動物研究所に行ってきました
2019年07月23日(火)
ワクワクいっぱいの夏休みに入りました。皆さんはどのように過ごされますか。私は先日、絶滅動物研究所に足を運びました。といっても本物の研究施設ではなく、名古屋市科学館で開催されている絶滅危惧動物をテーマとした特別展(開催期間:令和元年7月6日〜9月8日)です。当園も展示内容について特別協力をしています。
特別展は4つのゾーンに分かれていて、最初のゾーンは「絶滅した動物」です。マンモスやドードーなど絶滅した動物はもう実物を見ることができません。次のゾーンでは「地域と絶滅」がテーマ。ここでは他の地域には生き残っているが、ある地域からは消えてしまえば、それも絶滅であることを取り上げていました。それは遺伝子には地域ごとに違いがあるからです。ニホンオオカミは日本から絶滅しましたが、東山動植物園で展示しているシンリンオオカミは北米大陸で今も生息しています。
第3のゾーンでは、「絶滅動物の息吹き」として、地球上でわずか2頭となったキタシロサイの映像を紹介し、最後のゾーンでは動物園における"種の保存"の取り組みを紹介しています。動物園の人気動物の多くが本来の生息地では絶滅危惧動物として扱われていることは残念なことです。そのため、その種を守り、将来につなぐための生息域外保全や野生復帰に取り組むことは動物園の重要な社会的使命になっています。当園でのニシゴリラ、コアラ、アジアゾウの飼育下繁殖の取り組みについてもパネルで紹介されています。
東山動植物園では夏休み恒例のサマースクールを開講し、現在はナイトズーの準備を進めています。この特別展の会期中は、科学館の展示で絶滅動物や絶滅危惧動物について知ってもらい、さらに動物園で本物の野生動物を見てもらうことで、夏休みの自由研究にも役立てていただくために「シル・ミル」スタンプラリーを開催しています。
夏の東山動植物園もよろしくお願いします。
https://www.ctv.co.jp/event/zetsumetsu/
動物園長 黒邉雅実