植物の色(桜色)
2019年03月01日(金)
桜の回廊の河津桜(カワヅザクラ)
市内ロータリークラブや近隣事業者の皆さんなどのご協力により、整備を進めてきた「桜の回廊」が今年度、完成します。桜の回廊には、およそ100種1,000本の桜が植栽され、これから4月の中旬に掛けて「桜の花のリレー」がスタートしますが、リレーのトップランナーは河津桜です。この後、様々な桜の品種が咲き誇り、兼六園菊桜がアンカーを務めることになると思います。
さて、桜に由来する色には、「桜色」、「薄桜」、「桜鼠」など様々な桜系の色があります。桜色と言っても品種によってその花の色は様々で、白色から、淡い桜色、濃い桜色、その中間色、中には黄色や緑色の桜もあります。
花の色は、同一品種でも開花する時期の気温条件によって微妙に異なります。蕾から開花するまで、ゆっくり開花が進む年は、花びらに色素が蓄積されて、やや濃い色に、一気に開花が進む年には色が薄くなる傾向があるようです。
「ソメイヨシノの花が白く見える年は、農作物が不作になる」と言う話しを農家の方から聞いたことがありますが、ソメイヨシノの開花前、急激に気温が上がる年は、夏場に天候不順が起きやすい傾向があるのかも知れません。
今年のソメイヨシノの花の色は濃いのか薄いのか、天候不順は起こるのか起こらないのか、はてさて、どんな年になるのでしょうか。
桜の回廊の十月桜(ジュウガツザクラ)
竹林線の四季桜(シキザクラ)
也有園の子福桜(コブクザクラ)
植物園長 谷口 茂弘