花の色(向日葵色 ひまわりいろ)
2018年08月03日(金)
今年は梅雨明けが早く、高温乾燥の影響か、お花畑のヒマワリもお疲れ気味になってきました。
企業の皆さんのご支援による「花いっぱいプロジェクト」で、5月に定植したヒマワリの苗がみるみるうちに成長し、植物園のお花畑が向日葵色になりました。茎の頂点に咲く最初の花が一番花で、それが終了すると、順次、摘花をおこない、わき芽を育てて二番目の花を咲かせるようにしています。
ヒマワリの花は、大きな花びらのついた外周の舌状花と、花びらとは色が異なる内側の筒状花でできています。外側の舌状花は、虫を呼ぶための飾り物の花なので、この花に種子はできません。内側の円盤状の部分にぎっしり並んでいる筒状花が、種子を付ける本当の花です。
向日葵色は、少しオレンジ色が掛かった鮮やかな黄色を指しますが、品種改良により、花びらや花柱、花粉の色合いや形状の異なるものが見られるようになりました。
向日葵色は、英語でクロムイエローですが、この色は、クロム酸塩を主成分とした顔料の色です。ヒマワリと言えば、ゴッホのヒマワリの絵画が連想されますが、ゴッホのヒマワリの絵画も、クロムイエローの顔料を使って描かれたものでしょうか。想像が尽きません。
【濃い茶色のハート形の部分がめしべの先端】
【このヒマワリは、めしべの表裏の色が異なる】
【レモン色系の品種】
お花畑に向かう竹林線のオカメヅタの葉の表面に、芸術的な落書きを発見しました。この絵の作者は、恐らくナメクジ画伯かカタツムリ画伯と思います。ナメクジやカタツムリは、やすりのような歯を持っていて、葉の表面をかじり取ってこんな絵を描くことができます。
【葉の表面に描かれた現代アート】
植物園長 谷口 茂弘