[80th]80周年ライオン舎 その2
寒い日が続いています。
以前ライオン舎の秘密(?)について執筆したところ意外に好評でしたので少々悪ノリ(?)してまたライオン舎の秘密をご紹介しようと思います。
この時期の動物園の獣舎では、動物たちのために様々な保温装置を使って動物たちを寒さから守っています。たとえば床暖房、遠赤外線ヒーター、エアコン・・・。
ライオン舎にももちろん床暖房があります。
以前にもお伝えしたとおり、このライオン舎は建築されて80年を迎えます。
現在の動物園で使用されている暖房装置はそのほとんどが電気を使っていますが当時の日本の電力事情を考えますと床暖房はおろか照明装置もなかったと考えられます。
新築当時ライオン舎のライオンたちはどのように冬を乗り切っていたのでしょう?
答えはここです。
ライオンたちの部屋の床下には空洞が存在しここに炭を入れて床を暖めていたそうです。
まるで韓国の「オンドル」のようですね。
現在はコンクリートでふさがれていますが、この壁面を見る度に寒い日に火のついた炭をいれ、次の日にはたまった灰を掻き出す作業は大変だっただろうなと思えてなりません。
80年前の動物園の動物飼育はこのような知恵と工夫と情熱によって支えられていたのですね。
動物園飼育第一係 小林 隆志