キリンの首の骨はいくつ?
2016年10月15日(土)
キリンと言えばあの長い首が特徴ですが、首の骨はいったいどうなっているのでしょう。キリンを見た誰もが一度はそんな疑問をもったことがあるのではないでしょうか。
キリンはわれわれ人と同じほ乳類です。ほ乳類の仲間は基本的に首の骨(頚椎)の数は7個というのがルールになっています。東山動植物園で保管されるキリンの骨格標本を見ても、骨一つ一つの構造は大型ですが、たしかに数は7個です。
ところが最近「キリンに8番目の首の骨が見つかった」との記事を見つけました。その文献によると、7番目の「首の骨」の隣にある、1番目の「胸の骨」(胸椎)が、8番目の「首の骨」の役割をしているというのです。普通、胸の骨(胸椎)には肋骨がついており、胴体の一部であるため、首のようには動かせません。しかし、キリンの場合はこの1番目の胸の骨が、首の動きをサポートしているのだそうです。そのおかげで「高いところの葉を食べる」「低いところの水を飲む」というキリン特有の要求を同時に満たすことができるようになったというのです。この特殊な構造のおかげで50cmも首の動く範囲が広がっているとか。
キリンの「8番目の首の骨」とは「1番目の胸の骨」のことだったんですね。
キリンの首はただ長いだけでなく、首を柔軟に動かす仕組みにも秘密があったのです。
東山動植物園のキリン舎には高さ5mのキリン用「釣りカゴ」があって、高いところのエサを食べるアミメキリンの姿が見られますよ。開園日の13:30から実演*していますので、ぜひご覧下さい。
*天候や動物の体調によって中止になる場合があります。
動物園長 黒邉 雅実