水辺から嬉しい便り
2016年07月15日(金)
梅雨明けが待ち遠しいこの時期、ホッキョクグマ、アシカ、アザラシ、ペンギンたちはプールをゆうゆうと泳いだりダイブしたりと、ジメジメとした雨の日もとても元気です。
今回はそんな水辺で生活する動物からの嬉しい話題です。
先月に産まれたカリフォルニアアシカの赤ちゃんとアメリカビーバーの赤ちゃんは順調に育ち、7月に入って親と一緒に泳ぐ姿がよく見られるようになりました。
アシカは年に一度決まったシーズンに子どもを産むので、東山のアシカはほとんどが6月生まれです。
ビーバーは冬に繁殖期を迎え、春から夏にかけて出産します。今回はビーバーにとっては初産。さらに北園・アメリカゾーンの新ビーバー舎では初めて出産になりました。ビーバーの繁殖は珍しくありませんが、新しい施設での繁殖はその個体が飼育環境に馴染んでくれた証でもあり、職員にとっては二重の喜びです。
さて、同じアメリカ原産のアシカとビーバーですが、その泳ぎの教え方を比較すると違いがあります。
ビーバーは両親が2頭で協力して子育てをします。授乳はもちろんお母さんですが、上手く巣(寝室)に戻ってこられない赤ちゃんを口でくわえて運んだり、両手で抱き上げたりして、夫婦で協力して教えています。
一方、アシカは大人のオス一頭と複数のメス・子どもからなる群れをつくります。お父さんアシカはその巨体で、群れこそ守りますが子育てには無関心です。そのため、泳ぎの訓練もお母さんアシカだけで行います。ビーバーと同様に最初は上手く巣(岩場)に戻れないため、赤ちゃんはお母さんアシカに鼻先で支えてもらって陸に上がります。
これから泳ぎがさらに上達して、やがては自分だけで巣に戻れるようになることでしょう。親子で泳ぐ姿は微笑ましい限りですが、実はまだ性別がわかりません。どちらも外観からは判別がしにくい上に、今は親がしっかりと赤ちゃんをガードしています。ビーバーはレントゲン撮影でも調べることができます。気になるところですが、しばらくはそっと見守りたいと思います。
アシカだけにあしからずご了承願います。
動物園長 黒邉 雅実