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オフィシャルブログ

出産する魚

2016年07月04日(月)

毎日暑い日が続きますね。ニホンメダカは、ただ今産卵シーズンに突入しており、世界のメダカ館の屋外で飼育しているメダカたちも毎日産卵しています。またその卵から多くの稚魚がふ化して賑やかになっています。

さて、ニホンメダカの仲間と近縁で、カダヤシ目グディア科に属する魚の仲間がいます。カダヤシ目に属する1000種のうち、このグディア科には 約50種類の魚がいます。グディア科の特徴は、生息地がメキシコの高原地帯という限られた場所であることや、胎生魚であるということです。
胎生とは、体内受精によりメスの卵巣腔内で受精卵ができ胚発生がすすむ繁殖方法のことを言います。その際に親と仔は栄養リボン(へその緒のようなもの)でつながり、ガス交換と栄養を親から与えられながら成長し、ある程度大きくなってから生まれてきます。つまり人間の妊娠、出産と同じですね!

メダカ館では10種類の胎生魚を飼育しています。胎生魚の妊娠期間は約2ヶ月といわれていますが、展示水槽には、ほとんどのメスが妊娠しているのではないかと思われるくらい、お腹がぷっくりした魚がたくさん泳いでいるのを見ることができます。



ズーゴネティクス テキーラ



生まれたての稚魚は、メス親のお腹の中でたっぷりと栄養をもらい成長して出てくるので、サイズも大きくしっかりとした体をしています。そのおかげで、標高の高い高原地帯という厳しい環境でも生き抜く力を持ち合わせているのです。



アメカ スプレンデスの出産



クセノトカ ヴァリアータのメス親と生まれたての稚魚



メス親から生まれてきた稚魚は、たいてい栄養リボンは切れてなくなっているのですが、稀にそれをぶら下げたままの稚魚もいます。この栄養リボンは筒状になっており、まさに血管が通っているのを見ることができます。



ズーゴネティクス キッツォエンシスの稚魚



人間と同じ出産をしてふえる胎生魚は、メス親のお腹の中でたっぷりと栄養をもらいながら成長するため、妊娠と思われるメスがいる水槽には、いつもより多めにエサを与えて妊娠と出産に備えるようにしています。
運が良ければ、出産中の胎生魚を発見することができるかもわかりません。ぜひ探してみてください。


動物園飼育第二係  田中 理映子

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