GWの見頃
2016年05月01日(日)
毎年この季節にお問い合わせいただく見頃の植物としてハンカチノキやムーシューチューなどがあります。
これらがみられるのは、中国産植物園林として昭和57年に中国南京市との友好都市提携記念に開設された場所にあります。南京市から種子16種、苗木9種84本を受領して植栽したものです。
ハンカチノキ(中国名 珙桐 Davidia
involucrate Baill.)
中国 四川省原産 1種1科 大人の手のひらほどの白色の総苞片が風にゆられている様はまさにハンカチが振られているように見られるため別名となったものです。この植物を発見したのは、1862年ごろ探検したフランス人神父アルマン・ダヴィットでパンダなどと一緒にヨーロッパに紹介したことから、発見者にちなんでつけられています。植物のパンダといわれる所以です。
ムーシューチュー(中国名 木綉球 Viburnum macrocephalum Fort.)原産
長江 湖南 湖北の石灰岩質の丘陵林 ガマズミの仲間で中国大陸にはこの仲間が多い。白色の花が球状にかたまり大きさ20センチほどにもなり、枝先に重くしなるように咲いています。1844年にフォーチュンが導入したことから学名の命名者となっています。
現在工事中の重要文化財温室では、昭和12年当時展示水槽があり、温室内の水生植物としてカミガヤツリ(パピルス カヤツリグサ科Cyperus papyrus
L. 中央アフリカ ナイル川源流原産)が展示されていました。古代エジプトの時代から紙の材料として人の生活に深く関係してきた植物として紹介されてきました。今は、温室後館の水生植物室にあります。三角の硬い茎が特徴でこの部分の繊維を使って紙に使っていました。
姉妹都市や歴史を垣間見る植物の展示をご覧いただきたいと思います。
植物園長 藤井 辰則