夏いろいろ
2015年08月01日(土)
夏の花といえば ヒマワリ 咲きそろった姿は圧巻です。
温室では、夏を代表するハイビスカスの花が華やかに咲いています。今回は、このハイビスカスとおなじアオイ科でおもしろい花があります。ブラジル原産のゴエテア・ストリクティフロラ。茎に直接つく赤い花のように見えるのは、副がく片で花やがく片より長くなっていてかたまっているので非常に目立ちます。
オジギソウは知っていますよね。葉をちょっと触ると閉じてしまう不思議な性質をもつものですが、今は、マメ科に良く見られる薄紫の糸が集まったようなかわいい花も見られます。
さて、温室の外に出て夏の風物詩を探しに出かけます。夏といえば湧き水が流れる湿地を見て涼しくなりましょう。実は湿地はさえぎる木陰がなくめちゃくちゃ暑い場所ですが、そこで可憐な花を見つけました。サギソウです。白い鷺の形をした芸術的な花は見ているだけで引き込まれます。
その白い花を写真に収めようとしていたら、今年初めて、ハッチョウトンボを見かけました。東海地域の湿地でしか見られない世界最小のトンボです。大きさ3センチにもならないくらい本当に小さく写真を撮るのが大変です。普通のデジカメではなかなかうまく撮れませんので少しぼけています。
ほかにも、湿地ではミソハギが風にゆれて涼しげで、お盆のころの風物詩となる植物です。
湿地の植物には、この地域固有の東海丘陵要素植物が多く見られ、これらは、ほぼ絶滅危惧種となっています。東海地域の湧水湿地が開発のため姿を消しているからです。植物園はこのような絶滅危惧の植物を守るため、栽培し調査を行っています。
植物園長 藤井辰則