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知床の森で野生のヒグマに出会った!

2015年06月29日(月)

北海道の北東部に位置する知床半島は、世界でも有数のヒグマ生息地です。
2005年に世界自然遺産に登録され、今年はその10周年にあたります。
東山動植物園にもエゾヒグマの「ピポロ」君がいます。
クマ舎の副担当としてはこの知床半島はとても気になるスポットです。
「ピポロ」の仲間たちが暮らす土地のことが知りたく、あわよくば野生のエゾヒグマに出会えるかも...?と思い、先日(6月22日〜24日)休暇を利用して知床半島を訪れました。
今回はこれまで知床半島で出会うことのできた動物達を紹介したいと思います。



まずは「エゾシカ」。
北海道ではよく出会う動物といえます。
春から夏にかけては出産のシーズン。
写真の左端の個体もどうやら妊娠しているようです。



お次はこれまた北海道を代表する動物「キタキツネ」です。
口には捕まえたネズミを3匹もくわえています。



動物がいるのは森だけではありません。
初夏の知床の海には「シャチ」がやってきます。
今回は8頭ほどの群れに出会うことができました。


ホッキョククジラ


シャチ以外にもイシイルカやマッコウクジラ、ツチクジラなどの鯨類に出会うことができますが、今回はなんと「ホッキョククジラ」に出会いました!
これはとても珍しいことで、1969年に大阪の海で確認されて以来実に50年ぶりとのこと。
口の先端が白いところが特徴です。


オオワシ


オジロワシ


季節は変わりますが冬の知床には「オオワシ」や「オジロワシ」がシベリアの方から渡ってきます。猛禽類の越冬地としても知床は有名で海外からも訪れる人が多いそうです。



トリを飾りますのは「キムンカムイ」(アイヌ語で「山の神」)。
エゾヒグマです!
短い滞在でしたが運よく(?)出会うことができました。
東山動植物園ではリンゴやニンジン、サツマイモが中心のメニューですが、今の季節野生のヒグマは水辺のセリ、フキ、ミズバショウや昆虫、海岸に出てヨコエビ等を食べているそうです。
この時も朽ちた切り株を頑丈な爪で崩して中の昆虫(?)を探していたようです。
秋が深まる頃には、川に出て遡上してくるサケやマスを捕まえる姿を観察してみたいと思いました。
この後ヒグマは熊笹のやぶをかきわけシラカバのはえている森に、静かにそして悠然と姿を消していきました。

今回紹介させていただいた動物達は、みな豊かな自然環境があってこそ生きていける動物達ばかりです。
彼らを育む知床半島の自然の雄大さに圧倒されるとともに、いつまでもこの自然が守られ、文字通り「遺産」として存在しつづけて欲しいと強く感じました。

追記:エゾヒグマに出会った時、私は離れた場所で車の中から充分に安全を確認してこの写真を撮影しました。
ヒグマは大型の「猛獣」です。クマに出会っても決して近づかないでください。
クマを刺激しないように静かにゆっくり動いてクマから離れましょう。
またクマに人間の食べ物を与えないこと。
人間の食べ物の味を覚えたクマは人間の生活圏に近づくようになり、最終的には殺処分されることにつながります。
人間とクマの共存のためくれぐれもご注意ください。



動物園飼育第一係  小林 隆志

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