終の棲家
2015年02月25日(水)
オオアリクイは昼間活動する動物にもかかわらず、長い間、自然動物館の夜行性展示室にいました。
ずっと外で飼育したいと思い続け、アリを食べるので広い意味での肉食獣というこじ付けで、食肉小獣舎の一部屋に入れました。
ところがここは中・小型動物用のため、寝室と外の出入り口の高さがオオアリクイにはぎりぎりで、メスが妊娠したときにこのままではまずいことに気づきました。というのはオオアリクイは子供を背中に乗せて歩くので、部屋の出入りのときに親だけ通り抜けて、子供は頭をぶつけてその場に落ちるというアニメでよく見るシーンが目に浮かびました。
そこで、現在メキシコウサギがいる場所にメスだけ移しました。そこで子育てをしていたのですが、あるとき子供の頭の毛が抜けているのに気づきました。実は運動場にあった土管を親が通るときに子供の頭が当たって毛が抜けていたのです。子供がぶつかって落ちるほどの高さでなくてよかったのですが、早速担当者は中を通れないように木をつめてくれました。
そして今はアメリカゾーンにあるオオアリクイ舎に落ち着きました。メスはここで三度目の子育てを行っていますが、まだ寒いので外には出していません。モニターで様子を見られるようにしてありますのでご覧ください。
2回にわたりコアリクイとオオアリクイのことを書きましたが、両方の子が見られるのは国内で東山だけです。誰も言ってくれないので言っちゃいますが、結構すごいことだと思いますよ。
動物園長 橋川 央