植物のカーテン(温室バージョン)
2014年07月20日(日)
植物のカーテンといわれたとき、「緑のカーテン」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
アサガオやニガウリなどを使って、日よけにしているご家庭も増えているようです。
緑色は涼しげで、花や実を楽しめていいですよね。
でも、植物園の温室にあるカーテンは緑だけではありません。
サンギャラリーに入ると目につくのは「茶色いカーテン」。
ノランティア・ギアネンシスという植物です。
このカーテン、よく見ればわかりますが根っこなんです。
見上げると茎から根が垂れているのが見えます。
この根は気根といって、土の中ではなく、空気中で雨や霧の水をあつめています。
ノランティアは、熱帯では何十メートルもの高さに伸びるので、土から水を吸うだけでは足りないし、上まで運ぶのも大変なんでしょうね。
また、ハワイアンハウスにあるのは「赤いカーテン」。
こちらはキッスス・シキオイデスという名前です。
細くて鮮やかな気根はとっても可愛らしいです。
キッススの気根にも同じ役割があると考えられています。
でも、これらの植物はちゃんと土にも根を張っていますので、根本はどこか探してみても面白いですよ。
植物園にはこのほかにも、変わった根っこがたくさんあります。
根のカーテンをかき分けて、不思議な根の世界に足を踏み入れてみませんか?
植物園指導園芸係 高木 彬