下向きに咲く奇妙なラン
2014年07月02日(水)
この暑い時期に、蒸し暑い温室なんて入りたくない…なんて思うかもしれませんが、
今、植物園温室の水生植物室では変わった花を見ることができます。
なんと、釣り下げたハンギングバスケットの底から、釣り下げるように花を咲かせています。
「スタンホペア」というランで、近くによるとラン特有の甘い香りを漂わせています。
このラン、受粉の方法も変わっています。
写真では薄いオレンジ色に見える、唇弁と呼ばれる下垂れさがった部分から甘い香りのする蜜を分泌します。
それに引き寄せられる「シタバチ」という昆虫は、蜜を求めて唇弁にとまりますが、唇弁はつるつるしていて滑ってしまいます。
滑り落ちた先におしべが待っていて、背中に花粉をつけられてしまいます。
花粉をつけられたシタバチは、知らないうちに他の花に花粉を運ぶというわけです。
説明が長くなってしまいましたが、スタンホペアは見た目も香りも素晴らしい花です。
花は7月中旬まで楽しめますので、ご覧になりたいという方は、温室の水生植物室までどうぞ!
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植物園指導園芸係 高木 彬