トリビアを覚えて植物園へ行こう 〜アジサイの語源〜
2014年06月25日(水)
先日降った久々の雨のおかげで、植物たちも息を吹き返してきています。
ただ植物たちも「水が命」なので、担当としては今年の雨の降りはまだ足りないなぁ・・・と思っているのが正直なところです。
(ただし豪雨はいりませんが・・・)
アジサイは昔「あづさい」または「あぢさい」という読み方をしていたようです。
万葉集では「味狭藍」「安治佐為」と書かれている他、他の文献では「安豆佐為」「安知左井」とも書かれています。
語源に関しては諸説ありますが、
「あづ(あぢ)」=「小さいものが集まる」
「さい」=「さあい(真藍)」が転じた言葉で「青(藍色)」
(「さ」を接続語として「さ」+「藍」と解釈する説もあります)
→「あづ(ぢ)さい」=「青い小さいもの(花)が集まっている」という意味の説が語源として有力と言われています。
(漢字にあてると「集真藍」)
では今使っている漢字の「紫陽花」ですが、この漢字は中国の有名な詩人「白居易」が、中国の招賢寺という寺院で見た花に「紫陽花」とつけたのが始まりと言われ、日本では平安時代にこの漢字をアジサイに引用したことから、「アジサイ」=「紫陽花」が定着したといわれています。
ちなみにアジサイは、もともと日本原産ということと世界に広まった時期から、白居易が「紫陽花」と名付けた花はアジサイではなかった、という裏話もあったりします。
植物園緑地造園係 安藤 定治