トリビアを覚えて植物園へ行こう 〜ショウブとハナショウブ〜
2014年06月20日(金)
久々の雨。
脱水症状の植物たちにとっては恵みの雨です♪
この時期の花といえばアジサイですが、スイレンやハナショウブなども園内でみることができます。
ではここで問題。
この花は何でしょう?
答えは、「ハナショウブ」です。
この「ハナショウブ」、こんなトリビアがあります。
皆さん「ショウブ」と聞くと、「しょうぶ湯」と「ハナショウブの花」を浮かべる方多いのではないのでしょうか。
え?何言ってるの?ショウブもハナショウブも一緒でしょ?
と思った人、実は「ショウブ」と「ハナショウブ」は全く別の植物なのです。
「ショウブ」はサトイモ科(APG分類ではショウブ科)の植物で、ショウブ湯の時使うあの葉っぱですが、ハナショウブのような花は咲きません。
それに対し、「ハナショウブ」はアヤメ科の植物で、ノハナショウブの園芸種の事をいいます。花は上の写真のような皆さんがイメージする綺麗な花を咲かせます。
ちなみに、昔の「アヤメ」はアヤメ科のアヤメではなく、サトイモ科の「ショウブ」をさしていたと言われています。
(有名な植物学者牧野富太郎は「昔は今のアヤメをハナアヤメと呼び、ショウブをアヤメグサ(アヤメ)と呼んでいた」という説を述べています。)
ショウブもアヤメも漢字が「菖蒲」なのは、そういった背景があったからなのかもしれませんね。
植物園緑地造園係 安藤 定治