トリビアを覚えて植物園へ行こう 〜アジサイの「花」はどこ?〜
2014年06月14日(土)
植物園のアジサイは見頃を迎えています。
「どうせ見るならやっぱり花が見頃の状態が見たい」と思う人は多いのではないでしょうか?
では、アジサイの花の見頃ってどんな状態なのでしょう?
トリビア 〜アジサイの「花」はどこ?〜
実は、アジサイの花は一つの植物の中に2種類存在します。
2種類はそれぞれ「両性花」と「装飾花」といいますが、簡単にいうと「両性花」=「種を作ることができる正式な花」、「装飾花」=「種を作ることができないダミーの花」です。
アジサイは、花(両性花)がとても小さいため、花粉を運んでくれる虫にとってはとてもわかりにくい!
どれくらいわかりにくいかというと…
これくらいわかりにくいのです。どうですか?
でもアジサイとしては、種を作るために花粉を運んできてもらいたいので、本物より目立つ偽物の花(装飾花)を作り、花粉を運ぶ虫が寄ってきやすくしているのです。
アジサイの花だと思っていたのは偽物というのも驚きですが、花弁(花びら)と思っていたものも実は「がく」が発達したものなのです。
このことから、アジサイの「花が咲いている」というのは、「両性花が咲いている」ことになります。
(装飾花は開かないままのことが多いので)
青や赤に変わる「装飾花」の「がく」の部分が綺麗でも、「花(両性花)」は開いていないこともあります。意識してよく見てみるのも面白いかもしれません。
とはいえ、「ダミー」だろうと「がく」だろうと「アジサイ」は綺麗な植物です!ぜひ見に来てください!
植物園緑地造園係 安藤 定治